概要情報
| 事件名 | クロノス・DIVA | 
| 事件番号 | 都労委平成25年不第104号 | 
| 申立人 | フリーター全般労働組合 | 
| 被申立人 | クラブクロノスこと、クラブルーベルこと、クラブDIVAことY(個人) | 
| 命令年月日 | 平成27年2月17日 | 
| 命令区分 | 全部救済 | 
| 重要度 |  | 
| 事件概要 | クラブクロノス、クラブルーベル及びクラブDIVAで就業していたX2ら3名は、未払賃金があったことから、申立人組合に加入し、組合は被申立人Yに当該未払賃金に関する団交を申し入れた。本件は、①Yが組合員X2ら3名の使用者に当たるか否か、②上記の団交におけるYの対応が正当な理由のない団交の拒否に当たるか否かが争われた事案である。 東京都労委はYに対し、誠実団交応諾、文書交付及び履行報告を命じた。
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| 命令主文 | 1 被申立人Yは、申立人フリーター全般労働組合が、平成25年7月9日及び8月6日に申し入れた組合員3名の未払賃金に関する団体交渉を、使用者に当たらないとして拒否してはならず、誠実に応じなければならない。 2 被申立人は、本命令書受領の日から1週間以内に、下記内容の文書を申立人組合に交付しなければならない。
 
 記(省略)3 被申立人は、前各項を履行したときは、速やかに当委員会に文書で報告しなければならない。 | 
| 判断の要旨 | 1 被申立人Yは、組合員X2ら3名の使用者に当たるかについて Yはクラブクロノスなど3店舗において「社長」を名乗り、従業員らの採用や賃金を決定し、業務について指示するなど、経営者として従業員らの労働条件についての決定権限を有していたことが推認される。
 Yは、第3回調査期日に出席し、自分は3店舗を経営しておらず、組合員3名の使用者ではないと主張し、このことを立証する資料(店舗の賃貸借契約書等)を提出する旨を述べたものの、これを提出しておらず、当委員会からの連絡に対しても一切応答しなかった。
 これらの事実を総合すれば、Yは組合員3名の使用者に当たると認められる。
 2 団交拒否について
 Yは、本件救済申立て後に開催された第1回団交に出席したが、その際も、責任者ではないと述べ、第2回団交を欠席し、その後の申立人組合からの再三の申入れに対しても何ら回答せず、団交を拒否し続けている。組合は、Yが団交に応じないため、店舗従業員らに交渉を求め、店舗従業員2名との間で解決金の分割払いについての合意書を締結した。しかし、その支払は不安定で、将来の履行が約束されているわけではないから、Yが団交に応じる必要がなくなっているとはいえない。
 以上のとおり、Yが団交に応じていないことは、正当な理由のない団交の拒否に当たる。
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| 掲載文献 |  |