労働委員会命令データベース

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概要情報
事件名  東京国際大学 
事件番号  都労委平成25年不第17号 
申立人  東京地区私立大学教職員組合連合(X)、東京国際大学教職員組合(Z) 
被申立人  学校法人東京国際大学 
命令年月日  平成26年12月16日 
命令区分  全部救済 
重要度   
事件概要   平成24年6月27日、申立人組合Z(以下「組合」)は被申立人法人に団交を申し入れるとともに、大学事務室で教職員に対し、組合を結成した旨報告し、翌日、組合規約等を学内にある教員メールボックスに投函した。
 本件は、法人が①組合が24年6月27日以後、6回にわたって申し入れた団交に応じなかったこと、②組合に対し、同年7月9日付け文書で、大学内、就業時間内の組合活動を認めないなどと通知したこと、③同年10月12日以降、申立人組合Xから組合宛てに送付された郵便物等を組合に取り次がず、送り返したことは不当労働行為であるとして、救済申立てがあった事件である。
 東京都労委は法人に対し、1 上記①の団交を拒否しないこと、2 上記②及び③の行為により組合の運営に支配介入しないこと、3 文書交付、4 履行報告を命じた。 
命令主文  1 被申立人学校法人東京国際大学は、申立人東京国際大学教職員組合からの24年6月27日付け、7月9日付け、同月24日付けの各団体交渉申入れ、また、申立人東京地区私立大学教職員組合連合及び東京国際大学教職員組合からの25年1月9日付け、同月21日付け、2月2日付けの各団体交渉申入れについて、法人の求める団体交渉ルールに従うことを前提としたり、団体交渉に係る事務折衝や事前打合せに固執して、これを拒否してはならない。
2 被申立人法人は、申立人東京国際大学教職員組合に対して、大学内での組合活動は認めないなどと通知すること、及び同組合宛てに送付される郵便物等を送り返すことにより、組合の運営に支配介入してはならない。
3 被申立人法人は、本命令書受領の日から1週間以内に、下記内容の文書を申立人組合らに交付しなければならない。
記(省略)
4 被申立人法人は、第3項を履行したときは、速やかに当委員会に文書で報告しなければならない。 
判断の要旨  1 団体交渉について
 認定した事実によれば、申立人組合Z(以下「組合」)が開催場所を大学内とし、上部団体の役員も参加する形での団交を申し入れたのに対し、被申立人法人は一貫して、法人の求める団交ルールを前提として団交を行いたい、あるいは団交ルールを事務折衝等で先議したいとの回答を行っているといえる。一般に、団交ルールは労使双方の合意によって定められるべきものであるから、一方の当事者が一方的に条件を付することは、その条件が団交の円滑な実施に不可欠とみられるような事情がない限り許されないといえる。しかし、本件については、そのような事情は認められない。したがって、法人が団交の開催場所を大学外とすることに固執したこと及び当初、申立人組合Xの団交への出席を拒んでいたことに合理的理由はないといわざるを得ない。
 法人は、組合が団交ルールに関する事務折衝等を拒否したことから団交が開催されなかったとも主張する。しかし、事前にルールを決めなければ団交の円滑な実施が妨げられるような事情はみられないことから、団交に先立ち事務折衝等を行わなければならない合理的な理由は認められない。また、組合は団交ルールについても団交で協議することを求めているのであるから、法人が団交に応じ、団交の中で話し合えばよいことである。
 以上のことからすれば、法人が上記のような回答をして団交に応じていないことは、正当な理由のない団交拒否に当たる。
2 法人の24年7月9日付け「通知」について
 法人が就業時間内の組合活動を認めないのはやむを得ないとしても、就業時間外であっても、大学内で行われることを唯一の理由に、法人の業務や施設管理に具体的な支障を生じない態様での組合活動を全面的に禁止するということであれば、組合の運営に対する支配介入になる場合もあるというべきである。
 法人の24年7月9日付け「通知」は、就業時間外のメールボックスへの投函行為について、それに類似する行為も含めて禁じる旨を懲戒処分を示唆した上で通知したものであり、さらに「本学内での組合活動は認めない」として、法人の業務の円滑な遂行のための合理性・必要性は認められないにもかかわらず、大学内での一切の組合活動を禁じる趣旨をも含むものである。よって、組合の活動を萎縮させ、ひいては組合の弱体化を企図した支配介入に当たるといわざるを得ない。
3 郵便物等の返送問題について
 法人に組合宛郵便物等を取り次ぐ義務があるわけではないが、組合の結成後、特にトラブルもなく取り次いでいたものを24年10月12日から突然送り返すようになったことに不自然な感があることは否めない。当時は、前記のとおり事務折衝等の開催をめぐって労使が対立しており、団交が一度も開催されず、また、法人がXの役員の団交への出席を拒否していたことなどが認められる。そうすると、法人がそれまでは特にトラブルもなく取り次いでいた郵便物等をXに送り返したことは、組合及びXを嫌悪し、組合とXとの連絡を妨げることにより、組合及びXの弱体化を企図したものとみざるを得ない。そして、現に組合とXとの間で連絡に支障が生じたことも考慮すれば、かかる行為は組合の運営に対する支配介入に当たるといえる。 
掲載文献   

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