労働委員会命令データベース

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概要情報
事件名  大阪府労委平成25年(不)第43号 
事件番号  大阪府労委平成25年(不)第43号 
申立人  X労働組合 
被申立人  Y府 
命令年月日  平成26年11月25日 
命令区分  一部救済 
重要度   
事件概要   被申立人府が、公立学校の常勤講師又は非常勤講師である組合員らの雇用継続及びこれに関連する事項を団交事項とする団交を拒否したことは不当労働行為であるとして、救済申立てがあった事件である。
 大阪府労委は常勤講師に係る申立てを却下するとともに、府に対し、文書手交を命じ、その余の申立てを棄却した。 
命令主文  1 地方公務員法第22条の規定により任用されたY府の公立学校常勤講師に係る申立てを却下する。
2 被申立人は、申立人に対し、下記の文書を速やかに手交しなければならない。
年  月  日
  申立人組合
   執行委員長 F 様
Y府
知事 G
  当府が、貴組合が平成25年2月8日付けで申し入れた団体交渉のうち、地方公務員法第3条第3項第3号に定める特別職のY府の公立学校非常勤講師である組合員の雇止め反対及び雇用継続に関する団体交渉に応じなかったことは、大阪府労働委員会において、労働組合法第7条第2号に該当する不当労働行為であると認められました。今後、このような行為を繰り返さないようにいたします。

3 申立人のその他の申立てを棄却する。 
判断の要旨  1 申立人組合の申立人適格について
 申立人組合の構成員には地公法が適用される者と労組法が適用される者が含まれており、組合は適用法規の異なる労働者で構成されるいわゆる混合組合である。混合組合は、労組法の適用がある構成員にかかわる問題については労組法上の労働組合としての権利を行使することができ、申立人適格を有するものと解すべきである。
 本件団交申入れに係る団交事項には、地公法が適用される常勤講師である組合員9名、労組法が適用される非常勤講師である組合員4名及び団交申入れ時点において任用されていない組合員Eの雇用に係る事項が含まれていたことが認められる。そうすると、組合は、本件救済申立てについて、常勤講師である組合員に係る部分に関しては申立人適格を有さず、非常勤講師である組合員とEの雇用に係る部分に限り、申立人適格を有すると解するのが相当である。よって、本件団交申入れのうち、常勤講師である組合員に係る部分については、却下する。
2 団交申入れに対する府の対応について
 被申立人府は、本件団交申入れに対し、常勤講師及び非常勤講師の個別任用に関する交渉要求については交渉事項でないため応じられないと組合に回答している。 
 まず、Eについては、本件団交申入れ時点において府の教育委員会(以下「府教委」)が同人を講師として任命していた事実はなかったと認められ、府は同人の労組法上の使用者に当たらないと解される。よって、本件団交申入れのうち、Eに係る部分については棄却する。
 次に、府における公立学校の非常勤講師の任用についてみると、任用期間は1年を超えない範囲とされ、任期満了後、更新するかどうかは任命権者の裁量に委ねられている。そして、本件団交申入れに係る組合員の中には繰り返し任用され、継続して勤務している者も存在していた。また、府教委による講師希望者登録制度の下での任用の実態は、繰り返しの任用によって実質的に勤務が継続する中で、職種、校種及び勤務地区等の変更又は前の任用期間における任用の継続であったとみるのが相当であり、対象者に対して、実質的に勤務が継続することへの合理的な期待を生じさせていたというべきである。したがって、非常勤講師について「雇い止めを行わず、雇用を継続すること」という本件団交申入れの団交事項は、こうした任用の実態を踏まえて、任用の継続を前提とする勤務条件の変更又は継続を求めるものであるということができ、労働条件にかかわる事項にほかならないから、義務的団交事項に該当する。
 府は、地公法上の職員団体が特定の者を非常勤講師に任用することを要求事項とする交渉を求めることは、同法55条3項の適用又は同法の法理の類推適用により、当局と職員団体との間で交渉事項とすることのできない管理運営事項に関して交渉を求めるものとして不適法な交渉の申入れになる旨主張するが、本件団交申入れの団交事項が義務的団交事項に該当することは上記判断のとおりであるから、この主張は採用できない。
 以上のことからすると、府が非常勤講師である組合員の雇用継続に関する事項について団交に応じなかったことに正当な理由があるとはいえないから、かかる府の対応は労組法7条2号に該当する不当労働行為である。  
掲載文献   

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顛末情報
事件番号/行訴番号 命令区分/判決区分 命令年月日/判決年月日
大阪地裁平成26年(行ク)第187号 却下 平成27年2月10日
 
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