概要情報
事件名 |
フィールド |
事件番号 |
平成26年道委不第1号 |
申立人 |
北海道ウイメンズ・ユニオン |
被申立人 |
株式会社フィールド |
命令年月日 |
平成26年11月17日 |
命令区分 |
全部救済 |
重要度 |
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事件概要 |
被申立人会社の店舗でアルバイト社員として勤務していたX2は、平成25年8月15日、店長から突然、解雇すると告げられた。X2は、会社に対し、解雇理由証明書の交付、解雇予告手当の支払等を求めたが、会社はこれに応じず、同人は申立人組合に加入した。本件は、組合が同年10月30日、X2に対する解雇理由証明書の交付等を交渉事項として団交を申し入れたのに対し、会社が何ら回答せず、団交に応じなかったことは不当労働行為であるとして、救済申立てがあった事件である。
北海道労委は会社に対し、団交応諾及び文書手交を命じた。 |
命令主文 |
1 被申立人は、申立人が平成25年10月30日付けで申し入れた申立人のX2組合員に係る解雇理由証明書の交付、解雇予告手当、時間外手当の支払等を交渉事項とする団体交渉を拒否してはならず、これに速やかに応じなければならない。
2 被申立人は、次の内容の文を、日本工業規格A4判縦長白紙にかい書で明瞭に記載して、申立人に対し、本命令書写しの交付の日から10日以内に手交しなければならない。
記(省略)
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判断の要旨 |
認定した事実によれば、申立人組合が平成25年10月30日に郵送した団交申入書は被申立人会社に配達されており、本件救済申立て後になされた会社の代表Y1の組合に対する電話の内容から、同人は団交申入書の内容を認識していたことが窺える。したがって、団交申入書により、組合から会社に対して団交の申入れがなされたと認めることができる。
団交申入書に記載された交渉事項のうち、組合員X2の解雇に係る解雇理由証明書の交付、解雇予告手当の支払等については義務的団交事項であることが明らかであり、店長のパワーハラスメント、会社の即日解雇等によってX2が被った精神的苦痛に対する謝罪や損害賠償請求についても、団交による解決の必要性が認められ、義務的団交事項に該当すると解するのが相当である。
本件団交申入れに対する会社の対応をみると、一切応答することなく、組合からの電話についても誠実に対応しなかったことが認められ、組合の団交の機会ばかりでなく、組合が団交の実施を説得する機会すら奪っていることは明らかであるから、団交拒否に当たる。
さらに、本件団交拒否に正当な理由があるかどうかを検討すると、会社は本件に関し、一切の主張立証をしておらず、本件審査で採用された証拠及び審査の全趣旨を考慮しても、正当な理由があると認めることはできない。
以上から、本件団交拒否は、労組法7条2号に該当する不当労働行為である。 |
掲載文献 |
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