概要情報
事件名 |
大阪府労委平成25年(不)第23号 |
事件番号 |
大阪府労委平成25年(不)第23号 |
申立人 |
X労働組合 |
被申立人 |
Y株式会社 |
命令年月日 |
平成26年10月3日 |
命令区分 |
棄却 |
重要度 |
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事件概要 |
申立外会社Zで従業員として勤務していたDは同社の代表取締役Eから解雇を通告され、申立人組合に加入し、組合はZに対し、Dの解雇問題等を議題とする団交を申し入れた。組合とZとの間で団交が行われたが、合意には至らず、Dは解雇された。本件は、その後、組合がZと業務上、密接な関係にある被申立人会社にDの解雇事件の争議解決等を議題とする団交を申し入れたのに対し、会社が、Dの使用者に当たらないとしてこれに応じないことは不当労働行為であるとして、救済申立てがあった事件である。
なお、本件救済申立て後、ZがDとの雇用関係の不存在の確認を求めて労働審判を申し立てた結果、DとZとの雇用関係が会社都合により終了したことを相互に確認することなどを内容とする調停が成立した。
大阪府労委は申立てを棄却した。 |
命令主文 |
本件申立てを棄却する。 |
判断の要旨 |
組合員Dの解雇問題については労働審判において調停が成立したところ、被申立人会社は、調停の成立により本件申立ては却下又は棄却されるべきである旨主張する。しかし、調停成立は申立人組合が本件申立てを行った後のことであるから、申立て以降の事情というべきものであって、また、団交議題そのものが既に解決したとしても、当時、団交に応じなかったことが不当労働行為に該当するか否かについて組合が判断を求めることができなくなるとまでは解されず、調停の成立を理由に本件申立てを却下又は棄却すべきとは解せない。
そこで、会社がDの労組法上の使用者に当たるか否かについて検討すると、Zと会社は業務上、密接な関係にあり、会社がZに一定の影響力を及ぼし得るとしても、Dは原則としてZの役員及び従業員から業務上の指示を受けてZの業務に従事しており、また、ZがDの雇用の可否を含む労働条件を主体的に決定していたというのが相当であって、会社がDの基本的な労働条件について雇用主と同視できる程度に具体的かつ直接的な影響力ないし支配力を及ぼし得る地位にあったとまではいうことができない。したがって、会社はDの労組法上の使用者には当たらず、本件申立てはその余のことを判断するまでもなく、棄却する。 |
掲載文献 |
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