労働委員会命令データベース

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概要情報
事件名  兵庫県労委平成24年(不)第1号 
事件番号  兵庫県労委平成24年(不)第1号 
申立人  X労働組合 
被申立人  株式会社Y 
命令年月日  平成26年9月25日 
命令区分  棄却 
重要度   
事件概要   被申立人会社が、会社の店舗での食料品等の販売を会社から委託されていた申立外会社Zの解散に際し、①会社の店舗で就労していた、Zの従業員である組合員X2の雇用継続を求めて申立人組合が申し入れた団交を、会社はX2の使用者に当たらないとして拒否したこと、②X2を雇用しなかったことは不当労働行為であるとして、救済申立てがあった事件である。
 兵庫県労委は申立てを棄却した。 
命令主文   本件申立てを棄却する。 
判断の要旨  1 被申立人会社が組合員X2を雇用しなかったことについて
 申立外会社Zは会社の元従業員が設立したものであったところ、申立人組合は、Zの法人格が形骸化しているか、又は会社によるZの法人格の濫用があるから、Zの法人格が否認され、その結果、会社がX2の使用者となる旨主張する。
 しかし、会社とZとの間に販売委託契約が成立していたといえること、それぞれ独立して経理が行われていたと思料されること、役員の重複がないこと、Zでは取締役会で独自に意思決定がなされていたことなどからすると、会社がZに対して支配力を持っていた結果、Zの法人格が形骸化していたということはできない。
 また、会社がZに販売業務を委託したのは、独立を希望する社員の支援と、店舗の競争力を伸ばすことを目的に制度として行っていたものであり、会社が不当な目的のためにZの法人格を利用したとはいえない。
 以上のとおりであるから、Zの法人格を否認することはできない。
 次に、会社がX2の労組法上の使用者に当たるか否かについては、同人は会社からZに転籍したという経緯があるものの、その後、Zでは独自の人事管理において雇用条件の決定や採用が行われていたのであるから、会社が基本的な労働条件について雇用主であるZと同視できる程度に現実的かつ具体的に支配、決定できる地位にあるとはいえない。また、両社はそれぞれ独立した経営体であるから、X2が単にZの従業員であったというだけで、その雇用が当然に会社に承継されるものではなく、加えてX2は会社の定めた一般募集に期限内に応募しなかったのであるから、近い将来において会社との間に雇用関係が成立する可能性が現実的かつ具体的に存していたということもできない。
 以上のことから、労組法7条1号の不利益取扱いについて、会社がX2の使用者であると解することはできない。したがって、会社の不当労働行為性を論じる必要性はない。
2 団交申入れに応じなかったことについて
 組合は、会社がX2の実質的な使用者であることから、①同人の解雇通告問題又は解雇問題、②平成23年9月以降の雇用継続保障問題について、団交に応諾すべきであると主張する。なお、②は、Zの解散後、会社が同人を採用することを求めるものであると解される。
 しかし、X2の雇用契約の不更新となったZの解散については、同社が将来の経営状況が厳しいとの見地から取締役会で決定したものであり、その決定に対して会社が影響力を行使したとの疎明はなく、さらに、前記1で判断した理由から、いずれの団交事項についても会社はX2の労組法上の使用者であるとはいえない。
 以上のことから、会社が組合からの団交申入れに応じなかったことは、労組法7条2号の団交拒否には該当しない。 
掲載文献   

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