労働委員会命令データベース

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概要情報
事件名  精神医学研究所 
事件番号  都労委平成24年不第61号 
申立人  精神医学研究所労働組合、X2(個人) 
被申立人  一般財団法人精神医学研究所 
命令年月日  平成26年4月1日 
命令区分  棄却 
重要度   
事件概要   被申立人法人が、①法人の運営する病院で調理補助のパート職員として勤務していた申立人X2との有期労働契約を更新しなかったこと、②上記労働契約の更新に関する団交における法人の対応は不当労働行為であるとして、救済申立てがあった事件である。
 東京都労委は申立てを棄却した。 
命令主文   本件申立てを棄却する。 
判断の要旨  1 申立人X2の労働契約を更新しなかったことについて
(1)労働契約更新に関するX2への説明の状況
 申立人組合らは、パート職員の評価が定期的に行われているのかが疑問であり、また、X2に対する評価が極めて不公正に行われており、同人の雇止めを正当化するためだけに利用されている旨主張する。しかし、認定した事実によれば、法人はパート職員の評価を定期的にとまではいえないものの、過去に2回実施しており、それがX2の雇止めを正当化するためだけに利用されているとの主張は採用できない。また、組合員であるZ1及びZ4の評価は他の職員と比べ著しく劣っているともいえないことから、評価が組合員を排除するために行われているとはいい難い。
(2)X2の日常業務の状況
 組合らは、X2は評価内容を法人から示されていないし、改善すべき点の指摘もなく、同人は栄養科業務を問題なくこなしていたと主張する。しかし、X2は法人から業務上の注意や指導をされても改善がみられないとの指摘を受けても、自身の業務状況について何ら弁明をせず、また、契約は更新できないとの説明を受けても異議を述べておらず、したがって、法人の指摘した事実や説明を認識していたものと認められる。パート職員の評価において、X2は基準点以上の項目が9項目中3項目のみであったこと、対象者の中で最低の点数の項目が7項目あったことも考慮すると、組合らの主張は採用できない。
(3)法人の不当労働行為意思
 組合らは、組合が平成21年10月、都労委平成21年不第90号・91号事件の申立てをしたことや、22年6月に労働協約違反があったとして、法人が組合に口頭で謝罪したことなどの事例から、法人が不当労働行為意思を有すると主張する。確かに、近年の組合と法人との労使関係は必ずしも良好ではなかったことが窺える。しかし、X2は、栄養科パート職員の交流会の呼びかけ以外に積極的に組合活動に参加しておらず、法人が、同人が組合員であることを問題視し、同人を排除することによって組合の弱体化を図った事実を認めるに足りる疎明はない。
 そうすると、法人と組合とは対立関係にあったものの、法人がX2の組合活動を嫌悪し、組合の弱体化や切崩しを企図して同人の雇止めを強行したとする組合の主張は採用できない。
(4)小括
 以上のとおりであるから、法人がX2の労働契約を更新しなかったことは、同人の組合活動又は組合員であるが故の不利益取扱いには当たらず、また、組合の弱体化等を図る支配介入にも当たらない。
2 団交における対応について
 組合は、法人が団交で雇止めの理由についての説明を具体的に準備しておらず、また、組合がX2の評価の開示を求めても、評価結果を示したり、指導記録を提示することはなかったと主張する。しかし、法人は第2回団交で雇止めの理由について一応は説明している。また、X2がどのような評価がされていたのか、具体的にどのような指導がされていたのかを組合が認識できる程度の説明をしていたと考えられる。
 第4回団交において、法人は、これ以上お互いに話をしても平行線をたどると思うなどと述べた上、X2の労働契約更新に関する団交は終了したいと述べ、これ以降はこの問題に関する団交が開催されなかったことが認められる。他方、組合は「これ以上進展しないのか」と述べるにとどまり、団交の継続を要求してはいない。また、その後、この議題については団交の申入れをしていない。これらのことから、第4回団交をもって交渉が終了したことについて、法人の姿勢に問題があるとまでいうことはできない。
 以上のとおり、X2の労働契約更新に関する団交における法人の対応が不誠実であったとはいえない。 
掲載文献   

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