労働委員会命令データベース

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概要情報
事件名  大阪府労委平成24年(不)第29号 
事件番号  大阪府労委平成24年(不)第29号 
申立人  X労働組合 
被申立人  株式会社Y 
命令年月日  平成25年11月26日 
命令区分  棄却 
重要度   
事件概要   被申立人会社が①ストライキを行った組合員2名に対し、正当な理由なく欠勤が続いているとして解雇を強行したこと、②当該解雇の撤回等を議題とする団交の申入れに応じなかったことは不当労働行為であるとして、救済申立てがあった事件である。
 大阪府労委は、申立てを棄却した。 
命令主文   本件申立てをいずれも棄却する。 
判断の要旨  1 申立人組合の支部長X2らを解雇したことについて
(1) 解雇理由について
 被申立人会社がX2に送付した解雇予告通知書によれば、同人の解雇理由は、①同人が平成22年7月9日付けの異動命令(工場のFラインでの業務からブローチ加工業務への異動)を正当な理由なく拒否し続け、弁明の機会にも応じないこと、②同月12日以降、正当な理由なく欠勤を続けており、出勤督促にも応じないこと、③同人の転居に伴う通勤方法等変更届の提出を命じたが、正当な理由なく拒否を続けていることがいずれも就業規則に違反しており、以上を包括的にみて解雇する、というものである。また、組合員X3の解雇理由は上記②及び③と同じである。
 組合は、上記①に関して、会社が異動命令の根拠とするX2の生産性の低さはその信憑性が疑わしく、人選の妥当性に欠ける旨及び同人に弁明の機会が設けられたとはいえない旨主張する。しかし、認定した事実によれば、同人のEライン、Fラインでの部品加工数は長期間にわたり採算ラインを下回っていることが認められ、同ラインでの作業適性がないとした会社の判断が格別不自然とはいえない。また、会社は22年5月24日に弁明の機会を設けたが、X2が出席しなかったことが認められる。さらに、上記異動命令がX2にとって特段不利益なものとも認められない。したがって、上記異動命令を正当な理由なく拒否し続け、弁明の機会にも応じなかったX2の行為が就業規則に違反するとした会社の評価は相当であるとみることができる。
 組合は、上記②に関して、X2らが欠勤を続けたのは、ストライキ及び会社の責めに帰すべき事由による自宅待機といった正当な理由によるものであることから、懲戒事由に当たらない旨主張する。
 しかし、22年4月26日の時限ストから同年7月12日の無期限ストに至る一連のストライキは、前記異動命令を拒否し続けているX2が就労しないことを正当化するためのものとみても不自然ではなく、ストライキとしての正当性を有するとの組合の主張は採用できない。また、会社がX2らに対して繰り返し出勤督促を行ったのに対し、X2らは職場復帰の条件について会社に具体的な働きかけ等を行うことなく、欠勤を続けたとみるのが相当である。さらに、前記異動命令がX2にとって格別不利益であるとは認められず、職場復帰ができない特段の事情があるとみることもできない。したがって、X2らが会社の責めに帰すべき事由により自宅待機を余儀なくされたとの組合の主張も採用できない。
 組合は、上記③に関して、通勤方法等変更届の提出を求める通知書が組合に送付され、X2らに送付されなかったことから、同人らが同届を会社に提出しなかったことには正当な理由がある旨主張する。
 しかし、会社はX2らに郵送した書類が宛て所に尋ね当たらないとの理由で返送されてきたことから、組合に送付したのであり、また、転居したのであるから通勤方法等変更届を提出すべきであったことは同人らも知っていたと推認できる。したがって、同届を提出していないことが就業規則に違反するとした会社の評価は相当であるとみることができる。
(2) 解雇の相当性について
 組合は、前記解雇理由①及び③に関して、いずれも減給又は出勤停止の懲戒処分事由となり得るのみで、解雇は過重な処分である旨主張する。しかし、会社は就業規則に違反する事項が複数認められることから、それらを総合して解雇が相当であるとの判断に至ったものということができ、本件解雇には合理的理由が認められる。一方、本件解雇が組合員であるが故になされたと認めるに足りる疎明はない。
(3) 結論
 本件解雇は、前記解雇予告通知書記載の各事由が就業規則に違反することから、同規則に基づいてなされたといえるのであって、組合員であるが故になされたと認めることはできず、労組法7条1号及び3号に該当する不当労働行為であるとはいえない。
2 団交申入れに対する対応について
 認定した事実によれば、会社代理人弁護士は、組合からの14回の一連の団交申入れに対し、終始、会社代理人弁護士のみの出席による団交に応じる旨の意思を示すとともに、労働紛争解決に向けた会社の意思を表明していたといえるにもかかわらず、組合が会社代理人弁護士のみの参加では団交は成立しないとして、これに応じなかったことから、団交が開催されなかったと認めるのが相当であり、会社代理人弁護士に交渉権限があったことからすると、会社の団交出席予定者が会社代理人弁護士のみであったことをもって不適切であったということもできない。このように、団交が一度も開催されなかった理由は、社長等が出席しての団交開催に固執し、代理人弁護士のみの参加では団交は成立しないとの一方的な主張により団交に応じなかった組合にあるといえる。
 会社の団交拒否理由の中には一部不適切なものが含まれていることが認められるが、このことを考慮しても、本件団交申入れに対する会社の対応が正当な理由のない団交拒否であったとまではいえない。 
掲載文献   

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