概要情報
事件名 |
コモンズ |
事件番号 |
都労委平成23年不第62号 |
申立人 |
シニアユニオン東京 |
被申立人 |
コモンズ株式会社 |
命令年月日 |
平成25年7月2日 |
命令区分 |
却下 |
重要度 |
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事件概要 |
X2は被申立人会社で媒体局長等の役職を務めた後、定年後も契約社員の身分で媒体局長として勤務していたが、平成22年6月、会社の代表取締役会長Y1からの要請により監査役に就任した。しかし、X2は23年3月、会社から雇止めを通告され、これを契機に申立人組合に加入した。本件は、組合がX2の雇止め等についての2回目の団交を申し入れたところ、会社が組合の法適合性に疑義があることを理由にこれを拒否したことは不当労働行為であるとして、救済申立てがあった事件である。
東京都労委は、組合は会社との関係において労組法2条但書1号に該当する者の参加を許す団体であり、救済を受ける資格を有しないとして、申立てを却下した。 |
命令主文 |
本件申立てを却下する。 |
判断の要旨 |
1 組合員X2が労組法2条但書1号の「役員」に該当するかについて
被申立人会社は、X2は名実ともに会社の役員たる監査役であったと主張する。しかし、監査役就任要請時の会社の会長Y1の発言、X2の実際の業務内容、同人の月給の額が就任前後で変化がないこと、同人には業務監査に関する権限がなかったこと等を考慮すると、会社は同人に対して、監査役としての役割というより、むしろ従前と同様に媒体局長としての役割を期待し、監査役としての職権を反映した給与は支払っていないとみられる。
したがって、X2は監査役としての実質を有していなかったというべきであり、労組法2条但書1号の「役員」には該当しない。
2 X2が同条但書1号の「使用者の利益を代表する者」に該当するかについて
X2は媒体局長に就任していた当時、従業員の採用についての決定権を有し、また、同局の従業員の昇進や異動についてはX2の意見が最終的な意見として通っていたことが認められる。監査役就任以降は、これらの権限を行使する機会がなかったが、これらの権限が失われ、あるいは形骸化したとの事情は窺えない。また、X2は媒体局の最高責任者として、部下を統括し、会社全体からみても事業経営上重要な職責を担っていたのであるから、監督的地位にあったことは明らかである。
以上のとおりであるから、X2は労組法2条但書1号の「使用者の利益を代表する者」に該当する。したがって、本件申立ては不適法であったといわざるを得ない。 |
掲載文献 |
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