労働委員会命令データベース

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概要情報
事件名  大阪府労委平成24年(不)第7号 
事件番号  大阪府労委平成24年(不)第7号 
申立人  X労働組合 
被申立人  株式会社Y 
命令年月日  平成25年4月26日 
命令区分  棄却 
重要度   
事件概要   被申立人会社で勤務していたX2は、平成16年5月、会社の業務で入手したある書面を別件訴訟事件等に携わっていた申立人組合側代理人の弁護士に渡した。同年9月、X2は社内文書を外に出したとして譴責処分を受けた。X2は、18年9月に会社を定年退職した後、23年6月、組合に加入した。
 本件は、24年1月、組合が上記X2の懲戒処分の理由に疑念が生じたとして会社に団交を申し入れたのに対し、会社が応じないことは不当労働行為であるとして、救済申立てがあった事件である。 
 大阪府労委は、申立てを棄却した。 
命令主文   本件申立てを棄却する。 
判断の要旨   申立人組合は、被申立人会社が当委員会に提出した平成23年(不)第57号事件の答弁書の内容によれば、組合員X2が組合側代理人の弁護士に渡した書面(以下「本件書面」)は会社が作成したものではないとも受け取れるとして、X2が本件懲戒処分を受けた根拠となる本件書面の存否が疑われ、本件懲戒処分の理由に不合理が判明した旨主張する。しかし、会社の上記答弁書の内容から会社が本件書面を作成したものでないとみる余地が生じたとしても、そもそも、X2が本件書面を社外に持ち出したことについての双方の認識には何ら違いがないのであって、これをもって、本件懲戒処分の理由に不合理が判明したということはできない。
 また、本件団交申入れの団交事項は、X2に対する本件懲戒処分の理由を明らかにすることとなっているが、本件懲戒処分当時、同人には本件書面の社外への持出しが懲戒理由であるとの認識があったと推認できるのみならず、本件懲戒処分がなされた後、本件団交申入れに至るまでの間に、同人が会社に対して同処分の不当性を主張したとの事実の疎明もない。加えて、X2は定年退職の際、退職金を満額支給されている。さらに、本件懲戒処分がなされたのは平成16年9月であり、24年1月の本件団交申入れまでに7年4か月が経過している。
 以上のことを総合して判断するに、本件団交申入れ時において、組合と会社との間にX2の労働条件等をめぐって団交により解決すべき事項が存在していたとはいえず、本件団交申入れに対する会社の対応には理由があったというべきである。 
掲載文献   

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