概要情報
事件名 |
日本女子プロ野球機構
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事件番号 |
京労委平成24年(不)第1号
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申立人 |
自立労働組合京都
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被申立人 |
株式会社日本女子プロ野球機構
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命令年月日 |
平成25年1月28日
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命令区分 |
棄却
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重要度 |
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事件概要 |
①被申立人会社が、委託契約により会社の業務(リーグの公式記録員業務)を行っていた組合員X2の平成24年度の契約等についての団交を拒否したこと、②会社の管理職がX2に対し、非難・恫喝を行ったことは不当労働行為であるとして、救済申立てがあった事件である。
京都府労委は、申立てを棄却した。
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命令主文 |
本件申立てを棄却する。
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判断の要旨 |
1 組合員X2の労働者性について
リーグの公式記録員業務を行うスタッフとして被申立人会社に登録された者(以下「記録員」)は、会社との関係において、労働者性を判断するに当たり通常、肯定的要素とされる事情を欠く点もあり、その労働者性が一見明白とはいいがたいが、会社の事業組織に組み入れられ、会社から契約内容を一方的、定型的に決定され、会社から労務供給の対価に類するものとしての性格を有する報酬を受け取る労組法上の労働者に該当すると認めるのが相当と判断される。
2 団交拒否について
申立人組合が平成24年2月20日に団交申入書を会社の事務所に持参し、3月1日には書留内容証明郵便で送付したにもかかわらず、会社は同月16日まで応答していないことからすると、同日の本件申立て時点で組合が団交を拒否されたと受け取ったとしても無理からぬものとも判断される。しかし、会社は、回答が遅れたのは社内の行き違いによるものと主張し、会社の代表取締役Y1は同月13日にようやく当該団交申入書を受け取った旨証言するところ、本件の全審問を通じてもこれを覆すに足る証拠は見出せない。そうすると、同月16日までに会社が何ら応答しなかったとしても、会社が団交申入れを知りながら、あえてこれに応じなかったとまで認めることは困難であり、会社が団交を拒否したとまではいえない。
また、組合は、会社が3月16日に送付した回答書にはX2について「雇用ないし雇用類似の関係が全く存在しない」と記載されており、同人の労働者性を否定するものであるから、団交拒否そのものであると主張する。しかし、当該回答書には、上記の事実を提示した上で、なお必要とあれば再度「団体交渉の申入書」を求める旨が記述されている。また、記録員が労働者性を有することが一見明白とはいいがたい本件にあっては、会社が組合員の労働者性を明確に認めないことには無理からぬ面も認められ、それだけに、直ちに団交を拒否していると断定することは相当とはいえない。
3 会社の管理職の言動について
組合は、会社の管理職Y2が電話でX2に対し、組合を脱退しなければ、契約しないとの非難・恫喝を行ったと主張する。しかし、本件の審問においてX2は、Y2がこれに該当するような発言をしたとの証言はしていない。したがって、Y2が組合や労働組合について非難的・恫喝的発言をしたとの証拠はなく、Y2の電話の内容が労組法7条3号の支配介入に該当するとはいえない。
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掲載文献 |
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