労働委員会命令データベース

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概要情報
事件名  大阪府労委平成24年(不)第23号  
事件番号  大阪府労委平成24年(不)第23号  
申立人  X労働組合  
被申立人  Y株式会社、破産者Y株式会社破産管財人  
命令年月日  平成25年1月22日  
命令区分  一部救済  
重要度   
事件概要   被申立人会社が①破産申立てをしたことを理由に組合員を解雇したこと、②申立人組合との間で事前協議合意についての協定書を締結しているにもかかわらず、事前協議を行わずに上記解雇を行ったこと、③破産申立てを理由として、組合に対し、労働協約の一切を解除する旨通知したことは不当労働行為であるとして、救済申立てがあった事件である。
 大阪府労委は会社に対し、文書手交を命じ、会社に対するその他の申立て及び被申立人破産管財人に対する申立てを棄却した。  
命令主文  1 被申立人Y株式会社は、申立人に対し、下記の文書を速やかに手交しなければならない。
年 月 日
   X労働組合
    執行委員長 A 様
Y株式会社
代表取締役 B
   当社が、貴組合の組合員を解雇するに当たって、貴組合に対し事前協議合意協定による事前協議を行わなかったことは、大阪府労働委員会において、労働組合法第7条第3号に該当する不当労働行為であると認められました。今後、このような行為をいたしません。

2 被申立人Y株式会社に対するその他の申立ては、棄却する。
3 被申立人破産者Y株式会社破産管財人Cに対する申立ては、棄却する。  
判断の要旨  1 被申立人会社が破産申立てを理由として組合員を解雇したことについて
 会社は、破産手続開始決定により、被申立人破産管財人が法的に使用者たる地位となり、会社は本件申立ての被申立人適格を喪失した旨主張する。しかし、破産財団の管理処分権は破産管財人が取得するが、その範囲外の事項については破産手続の終結決定までは破産会社にその権限が存続しているとみるべきであり、会社に対して破産財団の管理処分権以外の救済内容の履行を求めることは可能であるから、会社はいまだ被申立人適格を有するといえる。また、会社がたとえ事業を再開しないとしても、それ以外の内容の救済命令を履行する可能性がある以上、申立人組合の救済利益が失われたものとみることはできない。
 一方、組合は、会社は組合を嫌悪し、分会の壊滅を意図して本件破産申立てとそれを理由とする組合員の解雇を行った旨主張する。しかし、認定した事実によれば、会社が破産申立てを行ったのは経営的な理由によるものであったといえる。また、会社の組合嫌悪の根拠として、会社が組合との人事の問題等について「ちょっと大変だというようなことを言っていました」との組合側証人の証言以外の主張はされていないのであるから、会社が組合を嫌悪するが故に破産申立てを行ったと認めることはできない。なお、本件解雇は、全従業員に対して行われており、組合員のみをことさら不利益に取り扱ったとの事実は認められない。
 以上のことからすると、後記2の判断のとおり、会社が事前協議を行うことなく解雇を行った事実を考慮に入れたとしても、本件解雇が組合員であるが故の不利益取扱い及び組合に対する支配介入であるということはできない。
2 会社が事前協議を行わずに組合員を解雇したことについて
 会社が本件解雇の通知に先立つ近接した時期に組合に対し、協議を申し入れたり、団交を行ったりした事実は認められない。したがって、会社は、事前協議合意を取り決めた平成11年協定書を締結していながら、これを遵守しなかったということができる。
 破産管財人は、会社が破産申立てを行い、営業活動を停止し、従業員が全員解雇されることが法的に予定されている場合にまで、従業員の解雇に先立って事前協議の手続を踏まなければならない理由がないことは明らかである旨主張するが、事前協議合意約款が有効に存在する限り、会社は組合と協議し合意を得る努力をすべき義務があるというべきである。
 以上のことからすると、会社は事前協議合意約款である平成11年協定書に違反して、事前協議を行うことなく解雇を行ったとみるのが相当であり、このような会社の行為は組合に対する支配介入に当たる。
 なお、本件解雇自体は前記1判断のとおり、労組法7条1号には違反しないと判断されるものであるから、会社から破産管財人に引き継がれるべき不当労働行為に係る債務はなく、同人に対する申立ては棄却する。
3 会社が破産申立てを理由として全労働協約を解除する旨通知したことについて
 前記1判断のとおり、本件破産申立ては経営上の理由によるものであり、組合排除のためとは認められないものであるから、会社は破産申立てに伴う手続の一環として労働協約の解除通知を行ったにすぎないと解すべきであり、このことが組合の存在を軽視又は無視し、組合を弱体化する行為であったということはできない。  
掲載文献   

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