概要情報
事件名 |
千代田自動車
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事件番号 |
都労委平成23年(不)第47号
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申立人 |
千代田ユニオン
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被申立人 |
千代田自動車株式会社
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命令年月日 |
平成24年11月6日
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命令区分 |
却下
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重要度 |
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事件概要 |
被申立人会社が①申立人組合の執行委員長X1に対し、同人にかかわる暴力事件についての始末書の提出を求めたこと、②団交申入れを拒否したことは不当労働行為であるとして、救済申立てがあった事件である。組合は、後日、請求する救済内容を「団交の再開及び団交拒否により生じた不利益の回復」等に変更した。
東京都労委は、申立人が申立てを維持する意思を放棄したものとみざるを得ないとして、申立てを却下した。
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命令主文 |
本件申立てを却下する。
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判断の要旨 |
平成24年5月31日、当委員会において、申立人組合と被申立人会社は和解協定書を締結した。また、会社が暴力事件について就業規則に則り適切に処分を行うとしたので、当委員会はこれを調査調書に記載し、翌日、組合及び会社にその写しを郵送した。組合は、調査調書を確認した後、本件申立ての取下書を提出することになっていた。
しかし、組合から取下書の提出がないため、同年7月17日、本件の参与委員である労働者委員が組合の執行委員長X1に架電したところ、同人は、会社が和解協定書締結後に就業規則を会社の都合が良い方向に改定するなどしているので申立てを取り下げないなどと述べた。
9月5日、労働者委員が再度X1に架電し、和解協定書締結以降、会社に団交を申し入れたかを尋ねたところ、同人は、喧嘩になってしまうから団交申入れはしていないと回答した。労働者委員が調査の再開の必要性を伝え、組合の意向を確認したところ、同人は、不当労働行為しか判断しないならば意味がないとして調査の再開を拒否し、むしろ却下されたほうが次の段階に進むのに都合がいいと述べた。
9月6日以降、組合の意向を再度確認するため、当委員会事務局職員がX1に架電したが、応答はなかった。また、10月1日、本件の取扱いについて連絡すること、連絡がない場合は申立てを維持する意思がないものとみざるを得ない旨の文書を同人の自宅及び組合住所に送付したが、何の連絡もなかった。
以上のような経緯のとおり、組合は、X1が労働者委員に対し、調査の再開を拒否する旨を述べ、その後、当委員会への連絡を一切絶っていることから、もはや本件申立てを維持する意思を放棄したものとみざるを得ない。
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掲載文献 |
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