概要情報
事件名 |
大阪府労委平成23年(不)第52号
|
事件番号 |
大阪府労委平成23年(不)第52号
|
申立人 |
X労働組合
|
被申立人 |
Y株式会社
|
命令年月日 |
平成24年10月12日
|
命令区分 |
却下
|
重要度 |
|
事件概要 |
Dの運転するトラックに同乗して被申立人会社の配送等業務に就いていたCは、平成23年6月23日、Dから殴打された。本件は、Cが申立人組合に加入した後、組合が同年7月1日に申し入れた上記Dによる暴行行為等を議題とする団交に、会社がCの使用者ではないとして応じなかったことは不当労働行為であるとして、救済申立てがあった事件である。
大阪府労委は、会社はCの使用者には当たらないとして、申立てを却下した。
|
命令主文 |
本件申立てを却下する。
|
判断の要旨 |
組合員Cが被申立人会社の配送等業務に就くに当たり、同人の雇用主を特定できるような書面は作成されていない。また、Cが会社に対し、雇用を希望する旨を伝え、会社が雇用する旨返答したとする疎明もないのであるから、会社がCの雇用主であるとみることはできない。
会社がCの雇用主でなくても、Cの労働条件に対する影響力の程度によっては会社が労組法上の使用者となる余地はある。
Cが運転手Dと、Cに本件業務を紹介した個人Eから業務内容や賃金等の労働条件について説明を受けていたことは明らかであるが、D及びEが会社に雇用されていたとする疎明、及び同人らが会社の意向に従ってCに対し業務内容や労働条件についての説明をしていたとする疎明はない。
また、会社がCの業務内容や労働条件の決定に直接に関与したとする疎明、及び会社がCに対し、業務に関する指示などをしたとする疎明もない。
Cの賃金は、Eから支払われていたというのが相当であって、会社が関与したとする疎明はない。
以上のとおりであるから、会社はCの雇用主には当たらず、また、会社が同人の労働条件について具体的かつ直接的な影響力ないし支配力を及ぼし得る地位にあるということもできないのであるから、会社はCの労組法上の使用者には当たらないと判断される。
|
掲載文献 |
|
|