労働委員会命令データベース

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概要情報
事件名  日本情報通信  
事件番号  都労委平成21年(不)第40号  
申立人  東京管理職ユニオン  
被申立人  日本情報通信株式会社  
命令年月日  平成24年9月18日  
命令区分  棄却、却下  
重要度   
事件概要   被申立人会社が①管理職として勤務している組合員X2に係る平成17年度から19年度までの業績評価を低い評価とし、これに伴い減給をしたこと、②同人の病気休暇を認めず、賃金を減額したこと、③法務考査室社員らをX2の所属する品質管理グループの定例会議に出席させたこと、④団交において不誠実な対応をしたこと等は不当労働行為であるとして、救済申立てがあった事件である。
 東京都労委は、上記①に係る申立てのうち18年度と19年度の業績評価及びこれに伴う減給に係るもの並びに上記③及び④の申立てを棄却し、その余の申立てを、申立期間を徒過しているとして却下した。  
命令主文  1 申立人東京管理職ユニオンの組合員X2に対する平成18年度及び19年度業績評価についての申立て、法務考査室社員らの定例会議への出席についての申立て、及び申立人組合との平成20年7月17日の団体交渉における会社の対応についての申立てを、いずれも棄却する。
2 その余の申立てを却下する。  
判断の要旨  1 平成18年度及び19年度の業績評価とそれに伴う減給について
 組合員X2の18年度の業績評価がD評価とされた直接の原因は、同人が上司であるグループ長Y2の指示に従った業績目標設定を行わず、業務実績に関する資料の提出を拒絶している状況で、会社の把握している業務実績を参考に業績評価が行われたためであり、また、19年度にD評価とされた直接の原因は、X2がY2の指示に従った業績目標設定を行わず、自らが設定した業務目標に沿った業務のみを行ったことにあると認められる。
 そして、申立人組合は、業績評価がD評価とされたことについて、組合員であるが故の不利益取扱いであることを、具体的に根拠を挙げて主張、立証すべきところ、不利益取扱いであると認めるに足りるような立証を何ら行っていない。
 よって、会社がX2に対する業績評価をD評価としたことが、同人が組合員であるが故の不利益取扱いに当たると認めることはできない。
2 法務考査室社員らの定例会議への出席について
 会社が法務考査室社員らを品質管理グループの定例会議に出席させるに至った理由は、X2が以前加入していた申立外組合から要請を受けて、同人に対するパワハラの事実確認とその未然防止を図ろうとしたためであり、また、同人に適正なパフォーマンスを発揮させるためであったと認められる。
 また、当該出席をさせていた19年7月から20年6月までの間、会社が当該出席をさせることにより、X2に対して組合員であるが故に不利益な取扱いを行ったとの事実は認められない。また、過去にパワハラの事実が存在したかどうかはともかく、20年3月頃までにはこの問題は収束していたとみられ、当該出席により結果的にパワハラに対する抑止効果が働いていたとみることもできる。
 よって、組合員であることを理由とする不利益取扱いには当たらない。
3 団交における対応について
(1)17年度業績評価と18年8月からの減給
 第1回団交において組合は、X2が減給されたのは会社が18年4月にできたばかりの降格基準を過去5年間に遡って適用したことによると主張していた。しかし、会社は、X2の17年度業績評価と18年8月からの減給が降格基準の適用によるものだとの説明は当初から行っておらず、交渉の中で矛盾した回答は行っていない。会社は、組合の理解を得るよう説明を行ったといえる上、最終的にはその理解を得ているのであるから、交渉が不誠実であったとはいえない。
(2)パワハラの停止、謝罪、その防止及び不正な人事評価の是正
 組合は、グループ長Y2の言動、すなわち①X2に対して挨拶をしない、日常会話を無視する、会議で無視する、②18年度業績目標設定において、目標設定を何度も修正させる、無理な目標設定をさせる、がパワハラに当たるとし、X2が団交の中で事実確認を求めたが、会社は十分な調査や事実確認を行わなかった旨主張している。
 しかし、会社は団交の中で、少なくとも法務考査室社員らが品質管理グループの定例会議に出席して事実確認をした旨を説明しており、現に当該出席によってパワハラの未然防止を図っていることが窺えるから、会社の説明が不合理であったともいえない。
 業績目標の設定については、会社の把握している事実に基づいて対応が妥当であったことを説明しており、また、団交は労使双方の見解を述べ合って推移してきたと認められ、会社の回答が矛盾しているとはいえないから、組合の主張は採用することができない。
(3)グループ長Y2の団交出席
 組合は、第3回及び第4回の団交でグループ長Y2の団交出席を要求した。会社は事実確認のための同人の団交出席については拒否しているものの、団交は必ずしも事実関係を詳細に調査、解明する場ではなく、権限と責任のある団体交渉員が出席して組合に対し必要な説明を行えば足りるから、団体交渉員ではないY2を出席させないことをもって不誠実とすることはできない。
(4)結論
 以上のことから、本件団交における会社の対応は、不誠実であったとまではいえない。  
掲載文献   

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