労働委員会命令データベース

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概要情報
事件名  大阪府労委平成24年(不)第2号  
事件番号  大阪府労委平成24年(不)第2号  
申立人  X労働組合  
被申立人  医療法人Y  
命令年月日  平成24年9月4日  
命令区分  棄却  
重要度   
事件概要   インドネシア人であるDは、日本とインドネシアとの経済連携協定による受入れの対象となっている看護師候補者として来日し、平成22年12月から被申立人医療法人の病院で就労していたが、本国に帰国したいとして23年12月2日付けで退職願をYに提出した。同月22日、申立人組合は法人に対し、「組合結成通知及び団体交渉申入書」と題する文書をファクシミリで提出した。それには、同人の24年1月以降の就労を認めることや12月26日中に組合と日程を調整し、29日までに団交を開催することが要求事項として記載されていた。
 本件は、法人がこの団交申入れに応じなかったことは不当労働行為であるとして、救済申立てがあった事件である。
 大阪府労委は、申立てを棄却した。  
命令主文   本件申立てを棄却する。  
判断の要旨   申立人組合は、被申立人医療法人が平成23年12月26日までに組合に連絡しなかったことは団交拒否であり、同月28日になって初めて「御通知」と題する文書を組合に送付しているのは遅きに失している旨主張する。
 しかし、①組合は、同月22日に団交申入書を法人に提出し、その書面の中で初めてDの組合加入を通知していること、②同月23日から25日までの3日間は祝日、土曜日及び日曜日であったこと、③法人が同月28日に送付した通知書には団交に応じる旨が記載されていることが認められる。
 これらのことからすると、それまで全く組合との接触がなく、12月22日にDの組合加入を知らされた法人が、祝日等3日間を含む4日間のうちに組合に連絡せず、申入れから6日後の28日に通知書を送付していることをもって、ことさらに回答を引き延ばしたものとみることは困難である。
 なお、組合は、Dの権利回復に可能なラインで年内に団交を開催しなくてはならず、法人が郵送以外の方法で組合に連絡を取るべきであった旨も主張するが、当該主張は最後陳述における新たな主張であるとともに、組合は、団交申入書に12月29日から冬期休暇に入る旨を記載しておらず、また、12月22日の団交申入れ以降、法人に対して直接電話や面談による督促・問合せをしていないことが認められるのであるから、年内に連絡がつかなかったことについて、法人にその責を期すことはできない。
 以上のとおりであるから、12月22日の団交申入れに対する法人の対応が正当な理由のない団交拒否に当たるとは認められない。  
掲載文献   

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