概要情報
事件名 |
コミサキIS |
事件番号 |
神労委平成23年(不)第12号 |
申立人 |
横浜地域労働組合 |
被申立人 |
株式会社コミサキIS |
命令年月日 |
平成24年7月27日 |
命令区分 |
全部救済 |
重要度 |
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事件概要 |
組合員X2の解雇に係る地位確認等請求訴訟において、同人が被申立人会社に対して労働契約上の権利を有する地位を確認する判決が確定したことを受け、申立人組合が会社に対し、同人の復職及び未払賃金の支払を議題とする団交を申し入れたところ、会社が、同判決確定の直前に解散し、清算手続をしていることなどを理由に団交を拒否したことは不当労働行為であるとして、救済申立てがあった事件である。
神奈川県労委は会社に対し、1 未払賃金の支払を議題とする団交の誠実応諾、2 文書手交を命じた。
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命令主文 |
1 被申立人は、申立人の申し入れた組合員X2に対する未払賃金の支払を議題とする団体交渉を拒否することなく、誠実に応じなければならない。
2 被申立人は、本命令受領後、速やかに下記の文書を申立人に手交しなければならない。
記
当社が、組合員X2に対する未払賃金の支払を議題とする貴組合の団体交渉申入れに対し、会社が解散し、清算手続をしていることなどを理由に応じなかったことは、労働組合法第7条第2号に該当する不当労働行為であると神奈川県労働委員会において認定されました。
今後、このような行為を繰り返さないようにいたします。
年 月 日
横浜地域労働組合
執行委員長 X1
株式会社コミサキIS
代表清算人 Y1
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判断の要旨 |
被申立人会社は、現在清算手続をしており、団交に応じる余地はないと主張する。
しかし、清算中の会社は、清算の目的の範囲内において、清算が結了するまでは存続する。そして、未払賃金の支払については、清算の目的の範囲内に含まれる。また、賃金に関する事項は、義務的交渉事項に当たる。よって、清算中の会社には、労働組合の申し入れた未払賃金の支払を議題とする団交に応じる義務があるというべきである。
これを本件についてみると、X2に対する未払賃金の支払に関する事項が義務的交渉事項に当たることは明らかであるから、会社には本件団交の申入れに応じる義務がある。したがって、本件団交の拒否に正当な理由は認められない。
なお、本件団交の議題にはX2の復職も含まれているが、同人は溶接工として勤務しており、清算中の会社に原職として復帰することはできない。また、同人の就労先を確保しようとして本件団交を申し入れた申立人組合の意向を考慮すれば、「復職」には原職復帰以外の趣旨を含む可能性はあるが、その点について組合は何らの主張をしていない。よって、同人の復職については団交の議題から除かれるものと考える。
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掲載文献 |
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