労働委員会命令データベース

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概要情報
事件名  東豊観光 
事件番号  中労委平成4年(不再)第15号 
申立人  東豊観光株式会社 
被申立人  自交総連東豊観光労働組合 
命令年月日  平成9年12月17日 
命令区分  棄却 
重要度   
事件概要   会社が、①組合員Xを慣行に反して満55歳で定年退職扱いしたこと、②組合員に対する脱退工作を行ったこと、③組合員X2を観光バス見習業務から専属運送業務へ配転したこと、④組合員の担当車両を変更し、観光業務に従事させず、収入を減少させたこと等の14事項が争われた事件で、 ①X2への配転命令のなかったものとしての取扱い及び観光パス業務に従事させること、②担当車両変更がなければ得たであろう寸志、 紹介料相当額の支払い、 ③文書掲示等を命じた初審命令を維持し、 再審査申立てを棄却した。  
命令主文  本件再審査申立てを棄却する。  
判断の要旨  1 会社の55歳定年扱いについて、 会社はX1への顧客からの苦情が多いと主張するが、その内容は定年を延長しないほどの重大なものであったとまでは認められず、 同人に程済的身分的不利益を与え、 組合に弱体化を企図 した不当労働行為であるとした初審判断は相当であるとされた例。
2 組合の街頭宣伝の正当性について、社長の自宅付近で行われた街頭宣伝活動は穏当を欠くとの感がないではないが、その態様が社会的相当性を逸脱するとまではいえないこと等から、正当な組合活動の範囲を逸脱したとまではいえず、 これを理由とした自宅待機等の処分は不利益取扱い及び支配介入に当たるとした初審判断は相当とされた例。
3 団交出席者の権限に関して、 交渉責任者が組合の要求を聞いて持ち帰り、 社長に報告し組合に回答したことをもって不誠実団交とはならないとの会社主張が採用されず、団交に社長が出席せず、部長らが単に組合の要求を聞いて持ち帰り、次回組合に回答を伝えることを繰り返していたこと等は不当労働行為に当たるとした初審判断は相当とされた例。
4 担当車両変更に関して、会社の関与し得ない寸志、 紹介料の支払いを労働委員会が命じる法的根拠はないとの主張に対し、これらは、乗務員に賃金を補完するものとして会社の賃金政策に組み込まれて賃金と同様の機能を果たしており、 その支払いを命じることは労働委員会の裁量に属するとした初審判断は相当とされた例。
5 親睦団体の豊和会が会社の福利厚生施設の一翼を担っている事実はなく、 香港旅行も会社主催で行ったものであるとの会社の主張が採用されず、会社は同会の結成、活動、会計に深く関与しており、 会社の福利厚生施設を補完ないし一翼を担っていたとみるのが相当であり、組合員が加入できない同会を利用して組合員を不利益に扱ったことは不当労働行為にあたるとした初審判断は相当とされた例。  
掲載文献   

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