労働委員会命令データベース

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概要情報
事件名  沼津学園 
事件番号  静岡地労委平成9年(不)第1号 
申立人  沼津学園教職員労働組合 
被申立人  学校法人沼津学園 
命令年月日  平成11年11月19日 
命令区分  一部救済 
重要度   
事件概要   学園が、 ①合与等の削減措置に関する団体交渉申入れに対し、 正当な理由なく拒否し続けたこと、 ② 3回の団体交渉において決定権をもつ理事長が出席せず、 具体的資料を提示して説明しなかったこと、 ③管理職らが組合活動封じ込めの署名活動を行ったことが争われた事件で、 組合運営への支配介入の禁止を命じ、 その余の申立て (陳謝文の提出及び掲示)については棄却した。  
命令主文  1 被申立人は、 申立人を誹謗中傷する印刷物を配布したり、 正当な組合活動の自粛を求めたり、職員会議を利用して組合活動を非難したり、学校法人沼津学園教職員コミュニティーの結成を支援するなどして、申立人の組合運営に支配介入してはならない。
2 申立人のその余の申立ては、 いずれも棄却する。  
判断の要旨  1 3回の団体交渉において、代表権のない理事長代行が交渉に臨んだが、 基本的には組合の要求事項はすべて回答しておリ、 交法の状況及び内容を総合して判断すると、 理事長代行は責任を持って交渉を進めることができる権限を有して団体交渉に臨んでいたものと認め られ、 また、 自らの主張ないし回答を根拠づけるに足りる資料を提供して説明がなされていることから、 これら団体交渉が不誠実な団体交渉であるとまでいえないとされた例。
2 給与削成措置に関する団体交渉の申入れに対し、組合の存在について前理事長から引継ぎがない、 組合規約や組合員名薄の提出がないとの理由で応じなかったのは、 団体交渉拒否に当たるが、 本件申立て後は選帯なく団体交渉に応じておリ、 もはや組合の求めるような救済の利益は失われたとされた例。
3 理事長の辞意撤回を求めた嘆願書書署名の話合いにおいて、 総務課長が出席しなかった職員に対し、 何らかの処分等が必要である旨発言を行ったこと及びその発言や親睦会役員による 「組合活動自粛の署名」 の呼びかけに校長はじめ管理職が沈黙していた行為が、 組合の団結に影響を与える支配介入であるとまではいえないとされた例。
4 学園の理事が組合批判を含む内容の印刷物を殊更に教職員に配布させたことは、 学園の経営方針に異を唱え活動する組合を嫌惡し、 弱体化させる意図をもってなした行為で支配介入に当たるとされた例。
5 県関係者との会談内容の報告等のために全教職員を集めて行われた報告会から学園に第二組合が結成されるまでの学園の一連の行動は、 組合活動を非難するなどして組織の弱体化を意図するもので支配介入に当たるとされた例。
6 学園が団体交渉を拒否している状態において、 組合があっせん申請をしたにもかかわらず、理事である校長が、 組合委員長に対して申請を取下げてほしいと解される要請を行ったことは、 組合活動に対する干渉行為であり支配介入に当たるとされた例。  
掲載文献   

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