労働委員会命令データベース

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概要情報
事件名  光風会 
事件番号  中労委平成7年(不再)第16号 
申立人  医療法人光風会 
被申立人  回春荘病院労働組合ほか5名 
命令年月日  平成11年10月6日 
命令区分  救済 
重要度   
事件概要   光風会が、①組合の行ったストライキに参加した組合員の給与につい て、 基本給以外の調整給及び諸手当の一部をカットし、更に一部の者に ついては賞与からもカットしたこ と、②組合書記次長を受付事務から看護助手へ配転したこと、③ストライキの実施に対して、組合執行委員長ら5名を厳重注意処分としたことが争われた事件で、①組合員58名の給与から控除した金額のうち諸手当相当分の支払、 ②組合員の配転命令の取消及び原職復帰、③組合員ら5名に対する厳重注意処分の取消し、④ボストノーティス及び文書手交を命じ、その余の申し立てを棄却した初審命令の一部を変更し、その余の再審査申立てを棄却 した。  
命令主文  1 初審命令主文第1項中、「別表1」とあるのを「本命令別表2」と改め、 「金額欄」 とあるのを「支給すべき額欄」と改める。
2 初審命令主文第4項記(1)中、「保育手当、通勤手当及び精勤手当」を「保育手当及び通勤手当」に改める。
3 初審命令別表1及び2を削除する。
4 その余の本件再審査申立てを棄却する。  
判断の要旨  1 ストライキを行うに当たっては、組合としても、あらかじめ患者の生命・身体の保全に遺憾なきを期するための配慮をしておくべきものであるが、 光風会は、本件ストライキに至るまで申入書での要求以外に、各病棟の保安要員の必要人員、 その確保の見込み等について具体的な説明や要求を全く行わず、 上長からの保安要員の指名も行わなかったものであり、 本件ストライキ当日、病院において必要な保安要員は確保されていたと認めるのが相当であることからすると、 本件ストライキが正当な争議行為の範囲を逸脱した違法なものとはいえないとされた例。
2 光風会が、本件ストライキに対する報復措置として資格手当等の諸手当の質金力ツトをしたことは、 組合が正当なストライキを行ったことに対する不利益取扱いであるとともに、 今後の争議行為の抑制を意図 したもので支配介入に当たるとされた例。
3 精動手当については、 就業日数又は欠動日数に応じて支給額が決定ないし減額される旨規定されておリ、 光風会が、本件ストライキ参加者についてこれらの規定を適用し、通常の欠動と同様に労務の不提供を理由に不支給としたことは合理性があるが、新給与規程においては、遅刻、早退等の合計1時間以内は精動とみなすこととされていることから、 組合員ら3名については各不支給額のうち2, 0 0 0円分の不支給の扱いは失当であリ、精動手当の不支給の扱いが不利益取扱いであるとする初書命令の判断はこの限度で正当であるとされた例。
4 光風会が組合書記次長に対して行った受付事務から看護助手への配転は、同人の活発な組合活動を嫌悪し、 同人を不利益に取り扱うとともに、 本件ストライキを契機として組合の弱体化を企図してなされた不当労働行為であるとされた例。
5 本件厳重注意処分は、本件ストライキを行ったことに対する報復として、同ストライキを指導、実施した組合の幹部である5名に対する不利益取扱いであリ、また、将来のストライキを抑制するための支配介入であるとされた例。  
掲載文献   

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