概要情報
事件名 |
ハウス二十七 |
事件番号 |
都労委平成22年(不)第104号 |
申立人 |
フリーター全般労働組合 |
被申立人 |
株式会社ハウス二十七 |
命令年月日 |
平成24年2月7日 |
命令区分 |
全部救済 |
重要度 |
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事件概要 |
被申立人会社で従業員として勤務していたX2は、会社の社長から退職するよう告げられた後、申立人組合に加入した。本件は、組合が申し入れたX2の未払賃金等を交渉事項とする団交に会社が応じていないことは正当な理由のない団交拒否に当たるか否かが争われた事案である。
東京都労委は、誠実団交応諾、文書交付及び履行報告を命じた。
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命令主文 |
1 被申立人株式会社ハウス二十七は、申立人フリーター全般労働組合が組合員X2の未払賃金等を議題とする団体交渉を申し入れたときは、速やかに、かつ、誠実に応じなければならない。
2 被申立人会社は、本命令書受領の日から1週間以内に、下記内容の文書を申立人組合に交付しなければならない。
記
フリーター全般労働組合
共同代表 X0 殿
同 X1 殿
株式会社ハウス二十七
代表取締役 Y1
当社が、貴組合から申入れのあった組合員X2氏の未払賃金等に係る団体交渉を拒否したことは、東京都労働委員会において不当労働行為であると認定されました。
今後、このような行為を繰り返さないよう留意いたします。
(注: 年月日は文書を交付した日を記載すること。)
3 被申立人会社は、前項を履行したときには、速やかに当委員会に文書で報告しなければならない。
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判断の要旨 |
組合員X2が被申立人会社の社長から退職するよう告げられた後、有給休暇の申請をし、取得したにもかかわらず、会社が休暇中の賃金を支払わなかったという事情の下で、申立人組合はX2の未払賃金等について団交を申し入れたものであり、これは義務的団交事項に当たる。
会社は、タイムカードに従った賃金の支払いをしており、未払賃金はないとの確信があり、団交の議題について組合が未払労働債権が存在することを明確に主張・立証しなければ、団交を行う必要性があることさえも会社には判断できないと主張する。
しかし、会社がX2の有給休暇取得を許さないとして休暇中の賃金を支払わなかった事実が明らかに認められ、会社はこのことについて、退職した労働者からその根拠等の説明を求められているのであるから、団交を行う必要性を判断できないとする会社の主張は採用することができない。
会社は、組合が団交を申し入れた当初から、組合のいう未払労働債権の具体的な内容を組合に確認したり、未払労働債権は存在しないという自らの主張の根拠について、具体的な説明を何ら行わずに一切の団交を拒否している。
したがって、会社が組合の申し入れた団交に応じていないことは正当な理由のない団体交渉拒否に該当する。
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掲載文献 |
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