労働委員会命令データベース

(この事件の全文情報は、このページの最後でご覧いただけます。)

[命令一覧に戻る]
概要情報
事件名  琉球独立党(かりゆしクラブ) 
事件番号  都労委平成22年(不)第28号 
申立人  フリーター全般労働組合 
被申立人  かりゆしクラブ 
命令年月日  平成23年11月1日 
命令区分  全部救済 
重要度   
事件概要   被申立人たる政治団体Yの事務所に住み込んで勤務していたX2は、Yの党首と対立して事務所を退去させられた後、申立人組合に加入した。本件は、①組合がYに団交を申し入れたといえるか、②Yが当該申入れに応じなかったことは正当な理由のない団交拒否に当たるか否かが争われた事案である。
 東京都労委は、Yに対し誠実団交応諾を命じた。  
命令主文  被申立人かりゆしクラブは、申立人フリーター全般労働組合が平成21年9月28日付けで申し入れた団体交渉に、誠実に応じなければならない。  
判断の要旨  1 X2の労働者性及び利益代表者性について
 被申立人政治団体Yは、X2は同志として選挙活動に参加した、いわば経営者側の立場の者であり、実際に、選挙期間中、労働者を使用管理しており、また、党は同人に残業代を支払っていないのであるから、同人は労組法上の労働者とはいえないと主張する。
 しかし、X2の行っていた業務の内容からは、同人が企業経営者に相当するような党運営を差配する地位にあったとは認められない。同人がアルバイトのスケジュールや賃金台帳の管理を行っていたのは、同人が党の会計処理や選挙事務等を行っていたことによるものであり、アルバイトの採用や解雇等に関する権限を有していた又は行使していたとは認められない。同人は、Yの党首であるY1から業務指示を受けて仕事に従事し、その対価として報酬を受け、これによって生活する労働者であったといえる。
 以上のことから、X2は労組法上の労働者であり、使用者の利益を代表する者には当たらない。
2 本件団交申入れについて
 Yは、本件団交申入書を見たことはないから、そもそも団交申入れを受けていないと主張する。
 しかし、平成21年9月28日、Y1はその経営する会社の建物内に所在していたところ、組合員らが団交の申入れに来たことを知りながら面会しようとせず、電話で外に出てくるよう要請されても応じなかった。そこで、組合は本件団交申入書を会社の郵便受けに投函したのであるから、組合による団交申入れの通知はY1の下に到達したとみることができる。したがって、Y1が当該団交申入書を現実に見たか否かとは関係なく、本件団交申入れがなされたものと認めることができる。
3 団交申入れに対するYの対応について
 Yは組合からの団交申入れに対し、何ら回答をせず、理由を示すこともなく、団交に応じなかったのであるから、Yの対応は正当な理由のない団交拒否に該当する。  
掲載文献   

[先頭に戻る]
 
[全文情報] この事件の全文情報は約178KByteあります。 また、PDF形式になっていますので、ご覧になるにはAdobe Reader(無料)のダウンロードが必要です。