概要情報
事件名 |
兵庫県労委平成23年(不)第1号 |
事件番号 |
兵庫県労委平成23年(不)第1号 |
申立人 |
X労働組合 |
被申立人 |
Y株式会社 |
命令年月日 |
平成23年9月22日 |
命令区分 |
一部救済 |
重要度 |
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事件概要 |
被申立人会社が自社のA工場の操業を業績不振のため休止することとし、従業員を対象に希望退職の募集を行うことを発表したところ、申立人組合はこれに係る団体交渉の実施を要求した。本件は、会社がこの要求に応じなかったことは不当労働行為であるとして、救済申立てがあった事件である。
兵庫県労委は、会社に対し文書手交を命じ、その余の申立てを棄却した。
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命令主文 |
1 被申立人Y株式会社は、本命令書写し交付の日から7日以内に、下記文言を記載した文書を申立人X労働組合に手交しなければならない。
記
年 月 日
X労働組合
委員長 X1 様
Y株式会社
代表取締役 Y1
X労働組合が平成23年1月22日付け、同月24日付け、同年2月7日付け及び同月9日付けで申し入れた団体交渉にY株式会社が応じなかった行為は、労働組合法第7条第2号に該当する不当労働行為であると兵庫県労働委員会において認定されました。
今後、このような行為を繰り返さないことを誓約します。
2 その余の申立ては棄却する。
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判断の要旨 |
1 義務的団交事項の該当性について
被申立人会社は、本件希望退職の募集について、これに応じるか否かは労働者の自由意思に委ねられており、内容についても法律や公序良俗に反するものではないことから、義務的団交事項には該当しないと主張する。しかし、応募する労働者にとっては退職金等の労働条件に関する問題があり、応募しない労働者にとっても人員削減や組織の合理化等によって労働条件に影響を及ぼす問題であることから、本件募集は組合員である労働者の労働条件その他の待遇に関する事項そのものであって、義務的団交事項であると解するのが相当である。また、本件募集の内容が適法・妥当であることをもって団体交渉に応じる義務が免ぜられるわけではないことは明らかである。
また、会社は本件募集が経営判断であることを主張するが、本件募集が義務的団交事項に該当する以上、たとえ会社の経営上必要かつ適切な判断であったとしても、そのことをもって団体交渉に応じる義務が免ぜられるわけではなく、会社の主張は失当といわざるを得ない。
2 結論
以上のことから、本件募集は、義務的団交事項に該当することは明白であり、本件募集について組合と団体交渉において協議しなかったことは、労組法7条2号に該当する不当労働行為であると判断する。
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掲載文献 |
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