労働委員会命令データベース

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概要情報
事件名  鹿白日物流 
事件番号  奈労委平成21年(不)第2号 
申立人  なかまユニオン 
被申立人  有限会社鹿白日物流 
命令年月日  平成23年2月24日 
命令区分  一部救済 
重要度   
事件概要   被申立人会社が①組合員X2に対する休業補償の実施等を要求事項とする団体交渉において交渉を一方的に打ち切ったこと、②その後、申立人組合との間で次の団交に向けて調整を重ねていたさなかにX2を解雇する旨通告したことは不当労働行為であるとして、救済申立てがあった事件である。
 奈良県労委は、会社に対し①X2の解雇がなかったものとして取り扱うとともに、同人に解雇の日から原職に復帰させるまでの間の賃金相当額に年6%を乗じて得た金額を支払うこと、②X2に対し、車両の故障により就労不能となった日に係る休業手当及び同社が就労拒否した日に係る賃金に相当する金額に年6%を乗じて得た金額を付加した金額を支払うこと、③誠実な団体交渉の実施、④文書の手交・掲示を命じ、その余の申立てを棄却した。
命令主文  1 被申立人は、申立人組合員X2に対する平成21年9月1日付け解雇がなかったものとして取り扱うとともに、同人に対し、解雇の日から原職に復帰させるまでの間の賃金相当額に年6%を乗じて得た金額を付加した金額を支払わなければならない。
2 被申立人は、X2に対し、平成21年6月24日から7月3日までの期間について、賃金相当額の60%に年6%を乗じて得た金額を付加した金額を、そして同年7月4日から8月31日までの期間について、賃金相当額に年6%を乗じて得た金額を付加した金額を支払わなければならない。
3 被申立人は、申立人が交渉を求める議題に関し、申立人と誠実に団体交渉をしなければならない。
4 被申立人は、本命令書受領後、速やかに下記の文書を申立人に手交するとともに、同文書を縦1メートル×横1.5メートル大の白紙に明瞭に記載して、被申立人の本店の出入口の従業員の見やすい場所に10日間掲示しなければならない。
平成 年 月 日
 なかまユニオン
 執行委員長 X1 殿
有限会社鹿白日物流
代表取締役 Y1

 当社が、貴組合員X2氏を平成21年9月1日付けで解雇したこと並びに貴組合から平成21年6月30日以降、団体交渉の申し入れを受けたにもかかわらず、これに対し、誠実に団体交渉を行わなかったことが、奈良県労働委員会において労働組合法第7条第1号及び第2号に該当する不当労働行為であると認定されました。
 今後、このような行為を繰り返さないようにします。
5 申立人のその余の申立ては棄却する。 
判断の要旨  1 団体交渉における被申立人会社の態度は、誠実なものとはいえず、団体交渉拒否に当たるか。
 ①申立人組合から団体交渉の申入れがあった際に、専務取締役Y2が団体交渉申入書の受取りを拒否したこと、②第1回団体交渉において、Y2が、代表取締役がいないので、今日は話を聞くだけで、後日文書で回答するなどと述べたのみで、1時間後に予定の時間が来たとして退席したこと、③組合に対し、代表取締役名の「回答文」と専務取締役名の「回答書」を送付したが、その内容は要求事項の大部分を充分な根拠を示すことなく拒否するものであり、回答として到底充分なものであったとはいえないこと、④第2回団体交渉においてもY2のみが出席し、交渉時間を1時間に区切り、また、その対応が要求事項に正面から答えるものではなかったことなどから、会社は組合が求める団体交渉について誠実に対応したとは認められず、同社の行為は労組法7条2号に該当する不当労働行為である。
2 組合員X2の解雇は、労働組合に加入したこと若しくは労働組合の正当な行為をしたことの故をもってなされた不利益取扱いに当たるか。
 法律で禁止されている車両の不正改造行為など解雇理由として挙げられた7つの事由は、いずれも事実として認められないか、若しくは事実であっても解雇の理由になるとまではいえない軽微なものであり、これらの事由に基づく解雇は全体として相当な根拠を欠くものというべきである。そして、Y2が組合を嫌悪していたことは明らかであるとともに、本件解雇は2回の団体交渉やその後の団交申入れが頻繁になされていた時期に行われたものであることから、本件解雇がX2の組合加入及び団体交渉参加という組合活動を理由としてなされた不利益取扱いに該当することは明らかである。
3 車両が故障した日から解雇に至るまでの賃金不払いは、不利益取扱いに当たるか。
 X2が乗車していた車両の故障による就労不能は、使用者の責に帰すべき事由に該当するというべきであり、会社は本来同人に休業手当を支払うべきであった。そして、会社が上記のとおり、組合及びX2の組合加入、さらに団体交渉という組合活動に強い嫌悪感を抱いていたことを考え合わせると、会社が休業手当を支払わなかったことは不利益取扱いに該当するといわざるを得ない。また、車両の修理が終わり、X2の就労が可能な状態になって、同人が再三就労を申し入れたにもかかわず、会社が就労させず、賃金を支払わなかったことは、Y2の上記のような組合及びX2に対する態度からして、やはり不利益取扱いに該当するといわねばならない。 
掲載文献   

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