労働委員会命令データベース

(この事件の全文情報は、このページの最後でご覧いただけます。)

[命令一覧に戻る]
概要情報
事件名  鹿島学園 
事件番号  茨城県労委平成21年(不)第1号 
申立人  鹿島学園高等学校教職員組合、組合員X 
被申立人  学校法人鹿島学園 
命令年月日  平成22年 8月19日 
命令区分  棄却 
事件概要   本件は、被申立人学校法人が、経営する学園において行った以下の行為のうち、①が労組法7条2号に、②及び③が同条1号に、④が同条3号に該当するとして申し立てられた事件である。
①20年度、申立人組合からなされた5回の団交申入れに対し、21年2月21日まで応じなかったこと。
②16年度から18年度まで、教諭である申立人Xを担任又は副担任に就任させなかったこと。
③19年度及び20年度、Xに対し教務主任手当を支払わなかったこと。
④組合と16年9月3日に締結した和解協定第1項(1)を遵守しなかったこと。
 茨城県労委は、申立てを棄却した。
命令主文  本件申立てをいずれも棄却する。
判断の要旨  1 争点1(会社が、20年度に組合が申し入れた5回の団交に、21年12月21日まで応じなかったことは、団交拒否に当たるか。)について
 組合は、形式的に団交の申入れはするものの、法人の対応を批判するのみで、真に団交を実施するための必要な努力を重ねたと評価することはできず、かえって団交の実施を困難ならしめる言動さえも見受けられることから、団交を行われなかったことについて、法人が正当な理由なく団交を拒否したとまでは言い切れない。従って、法人には、団交申入れに係る対応の遅さや日程調整の不手際が見られ、反省すべき点もあるものの、法人の行為が労組法7条2号に当たるものであるとまでは認められない。
2 争点3(会社が、Xに対し、①16年度から18年度まで、担任又は副担任に就任させなかったこと、②19年度又は20年度に教務主任手当を支払わなかったこと、は同人に対する不利益取扱いに当たるか。)について
 16年度ないし18年度の校務分掌がどのように決定されていたかについては組合からの疎明がなく、Xが担任又は副担任に就任しなかったことが不利益取扱いであると認めることはできない。
 また、Xについては、学園の教頭から18年度の通信制教務主任であった申立外Aの仕事を引き継ぐよう要請された事実があったことは認められるものの、会社から教務主任就任の発令がなかったことには争いがない。XがAの職務内容を引き継いで担当していた事実をもって、教務主任手当を支給するべきであったとする組合らの主張は認められない。
3 争点4(会社が、16年和解協定第1項(1)を遵守しなかったという事実はあるか。また、当該事実があった場合、それが組合に対する支配介入に当たるか。)について
 法人は16年和解協定第1項(1)に違反しているとまでは言えず、労組法7条3号に当たるとまでは認められない。
4 争点2(前記申立事実のうち、1年の申立期間外の行為は、それぞれ労組法27条2項に規定する「継続する行為」に当たるか。)について
 争点3、4はいずれも不当労働行為の成立が認められないから、争点2については判断するまでもない。
掲載文献  

[先頭に戻る]
 
[全文情報] この事件の全文情報は約292KByteあります。 また、PDF形式になっていますので、ご覧になるにはAdobe Reader(無料)のダウンロードが必要です。