概要情報
事件名 |
河合楽器 |
事件番号 |
福岡県労委平成21年(不)第5号
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申立人 |
フリーターユニオン福岡 |
被申立人 |
株式会社河合楽器製作所 |
命令年月日 |
平成22年 8月20日 |
命令区分 |
一部救済 |
重要度 |
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事件概要 |
本件は、被申立人会社が、申立人組合の組合員であり、会社の運営する音楽教室の講師であるXとの契約を更新しなかったことが、同人が組合員であることを理由になされたもので労組法7条1号に、また、組合からの団交申入れに対し、Xは労組法上の労働者に当たらないとして応じなかったことが同法7条2号に該当するとして申し立てられた事件である。
福岡県労委は、会社に団交応諾を命じ、その余の申立てを棄却した。 |
命令主文 |
1 被申立人会社は、申立人組合が平成21年2月24日付けで申し入れたXとの契約不更新を議題とする団体交渉を拒否してはならない。
2 その余の申立てを棄却する。 |
判断の要旨 |
1 講師であるXは、労組法上の労働者に当たるか。(争点1)
(1) 労組法3条の「労働者」について
Xは、会社が運営する音楽教室において労務を提供し、その対価として、会社が一方的に決定及び計算した報酬を得る立場にあったのだから、労組法3条の労働者に当たる。
(2)労組法7条2号の「雇用する労働者」について
講師は、労務対価である報酬が会社の基準で定められていること、契約内容が会社の一方的決定となっていること、会社の事業遂行に不可欠な労働力として会社組織に組み込まれていること、生徒に対して行うレッスンの方法を含む業務遂行全般について会社の指揮監督を受けていること、労務提供に関して時間的・場所的拘束を受けていること、労務提供に代替性があるとまではいえないことから見るならば、Xは、会社との関係において、団交の保護を及ぼす必要性ないし適切性が認められ、労組法7条2号にいう「雇用する労働者」に当たる。
2 会社が組合の団交申入れに応じなかったことに、労組法7条2号の「正当な理由」が認められるか。(争点2)
組合が申し入れた団交の議題はXの契約不更新についてであり、労働者であるXの労務に関する基本的事項に関わる問題であるから、義務的団交事項である。よって、会社が団交申入れに応じなかったことは、労組法7条2号の不当労働行為に当たる。
3 会社がXとの契約を更新しなかったことは、労組法7条1号の「不利益な取扱い」に当たるか。(争点3)
Xが契約更新について期待を抱いていたとしても、そのことについて、合理的ないし保護すべき利益があるとは認められない。よって、会社がXとの有期契約の満了後、これを更新しなかったことは不利益取扱いとはいえず、労組法7条1号の不当労働行為には当たらない。
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掲載文献 |
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