労働委員会命令データベース

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概要情報
事件名 (株)宮古毎日新聞社外1社
事件番号 沖縄県労委平成20年(不)第2号
申立人 宮古毎日新聞労働組合、沖縄県マスコミ労働組合協議会、日本新聞労働組合連合
被申立人 株式会社宮古毎日新聞社、有限会社ワイド企画
命令年月日 平成21年11月19日
命令区分 一部救済
重要度  
事件概要  Y1会社及びY2会社が、組合員の雇止め問題、労働条件の変更を伴う組織改編、夏季・年末一時金等に関する団体交渉に誠実に対応しないことが不当労働行為であるとして争われた事件である。
 沖縄県労委は、申立ての一部について不当労働行為であると認め、会社に対し、誠実団交応諾、支配介入の禁止及び文書手交を命じ、申立期間を徒過したものについて却下した。
命令主文 1 被申立人株式会社宮古毎日新聞社(以下「会社」という。)は、申立人らから、賃金、手当及び一時金の支給、契約社員を正社員として雇い入れること、人員を補充することなどに関連した組合員の労働条件を議題とする団体交渉が申し入れられた場合には、賃金や人事係る決定が会社の経営上の専権事項であることをもって団体交渉を拒否してはならず、これに誠実に対応しなければならない。
2 会社は、申立人らから、申立人宮古毎日新聞労働組合と会社との間で平成18年6月8日及び同月26日に締結された団体交渉確認書の趣旨を確認するために団体交渉が申し入れられた場合には、当該確認書が労働協約ではないこと、既に十分な協議を尽くしたことなどを理由として団体交渉を拒否してはならず、これに誠実に対応しなければならない。
3 会社は、有期労働契約社員である組合員について契約を更新しないとする場合に申立人から団体交渉を申し入れられたときは、契約を更新するか否かの判断が会社の経営上の専権事項であることをもって団体交渉を拒否してはならず、これに誠実に対応しなければならない。
4 会社は、就業規則の改正に際して申立人らから団体交渉が申し入れられた場合には、労働基準法の定めるところにより従業員の過半数を代表する者から就業規則についての意見を徴すること、組合役員等を含む従業員へ説明を行うことを理由として団体交渉を拒否してはならず、これに誠実に対応しなければならない。
5 会社は、申立人らとの団体交渉において、交渉時間を一方的に30分ないし40分に限定してはならない。また、会社は、継続議題について団体交渉の席上で次回の日程を定めないなど、いたずらに次回団体交渉の開催を遅延させるような対応をしてはならない。
6 会社は、労働協約の破棄について書面で回答したことをもって団体交渉を拒否してならず、これに誠実に対応しなければならない。
7 会社は、申立人組合員に対して、組合員であることによる不利益取扱いを示唆すること又はこれを示唆することよって労働条件の変更の受諾を強要したりすることにより、申立人らの運営に支配介入してはならない。
8 会社は,申立人らに対し、下記の文書を、本命令書を受領した日から10日以内に手交しなければならない。
  なお、当該文書はA4判の用紙に、読みやすい大きさの文字で楷書し、手交の日の年月日を記載するものとする。

平成  年  月  日
宮古毎日新聞労働組合
執行委員長 X1 殿
沖縄県マスコミ労働組合協議会
議長 X2 殿
日本新聞労働組合連合
中央執行委員長 X3 殿

株式会社宮古毎日新聞社
代表取締役 Y1

株式会社宮古毎日新聞社が行った下記の行為は、沖縄県労働委員会において不当労働行為と認定されました。当社はこの事実を真摯に受け止め、今後このような行為を行わないようにいたします。

1 労働組合法第7条第2号の団体交渉拒否にあたるとされたもの
(1)2007春闘要求等の夏季一時金に係る平成19年6月9日から8月24日の間の6回の団体交渉における会社の対応

(2)団交確認書問題に係る平成19年9月15日及び同月21日付けの組合の団体交渉申入れに対する会社の対応
(3)就業規則改定の事前説明要求に係る平成19年9月24日付けの組合の団体交渉申入れに対する会社の対応
(4)会社が、団体交渉時間を昼休みの30分間に制限したこと及び平成19年11月15日に組合が団交時間の延長を要望した後の団体交渉における会社の対応
(5)平成19年11月15日の①賃金体系の開示及び通勤手当の支給、②編集局の人員補充、契約社員の正社員化の要求等に係る団体交渉における会社の対応
(6)平成19年11月22日の年末一時金に関する団体交渉における会社の対応
(7)X4組合員の雇止めに係る平成20年3月20日、同月21日及び25日付けの団体交渉申入れに対する会社の対応
(8)団交確認書及び組合掲示板設置条件の覚書の破棄に係る平成20年3月31日付けの組合の団体交渉申入れに対して、会社が、質問状への回答で説明したことを理由として行った団交拒否

2 労働組合法第7条第3号の支配介入に当たるとされたもの
(1)平成19年6月23日に、社長がX5副委員長に対して行った組合活動を批難する旨の発言
(2)平成20年3月19日及び同月22日に、社長がX6書記長に対して同人を嫌悪し、また、労働条件の不利益変更の受諾を強要した発言
以上

9 会社は、前項を履行したときは、速やかに当委員会に文書で報告しなければならない。
10 申立人らの申立てのうち、平成19年6月20日以前になされた、①X7組合員の雇止めに係る団体交渉における会社の不誠実な対応、②組織改編に係る団体交渉の拒否、③有限会社ワイド企画Y2統括部長が組合員に対して行った組合加入の有無を確認する旨の発言、④会社のY1社長が組合員に対して行った組合加入に伴う不利益な取扱いを示唆する旨の発言、⑤会社のY1社長が組合員に対して行った組合脱退を慫慂する旨の発言に係る申立てを却下し、その余の申立てはこれを棄却する。
掲載文献  

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