労働委員会命令データベース

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概要情報
事件名  オートウェイ 
事件番号  福岡県労委平成15年(不)第9号 
申立人  X2 
申立人  北九州自立連帯労働組合 
被申立人  株式会社オートウェイ 
命令年月日  平成17年 6月24日 
命令区分  一部救済(命令書主文に救済部分と棄却又は却下部分を含む) 
重要度   
事件概要  本件は、会社が、組合に加入し活発な組合活動をして解雇を争った組合員X2に対し、解雇については撤回したものの、①解雇前の営業事務からタイヤ転がし作業などの外作業に配置転換したこと、②机及びロッカーを事務所からタイヤサンプル展示室等へ移動したこと、③夏季一時金を支給しなかったこと、④組合を誹謗中傷する発言をしたこと等が不当労働行為であるとして、争われた事件で、会社に対し、①就労指示書を撤回し解雇以前に従事していた営業事務に事務所内で従事させること、②タイヤサンプル展示室に移動したロッカーを事務所更衣室に戻すこと、③夏期一時金を速やかに支給すること、④文書掲示を命じ、その余の申立てを棄却した。 
命令主文  1 被申立人株式会社オートウェイは、申立人X2に対する平成15年8月1日の就労指示書を撤回し、同人を解雇以前に従事していた営業事務に事務所内で従事させなければならない。
2 被申立人株式会社オートウェイは、タイヤサンプル展示室2階に移動した女戸ロッカーを事務所1階の女子更衣室に戻さなければならない。
3 被申立人株式会社オートウェイは、申立人X2に対し、平成15年夏季1時金として、速やかに15万円を支給しなければならない。
4 被申立人株式会社オートウェイは、本命令交付の日から7日以内に次の文書を申立人北九州自立連帯労働組合及び申立人X2に手交しなければならない。
 
           平成 年 月 日
北九州自立連帯労働組合
執行委員長 X1 殿
X2 殿

              株式会社オートウェイ
              代表取締役    Y1

 株式会社オートウェイが行った下記の行為は、福岡県労働委員会によって不当労働行為と判断されました。
 今後、このようなことを行わないよう留意します。

1 組合員X2に対し、平成15年8月1日に就労指示書を発してタイヤ転がし作業などの外作業に配置転換したこと、机をタイヤ梱包場に設置したこと。
2 女子更衣室を廃止し、女子ロッカーをタイヤサンプル展示室2階に移動して、事実上、組合員X2のこれら施設の使用をできなくしたこと。
3 平成15年9月10日、代表取締役Y1が、組合員X2に対し、組合離反を促す発言を行ったこと。

5 その余の申立ては、棄却する。 
判定の要旨  1300 転勤・配転
1302 就業上の差別
1602 精神・生活上の不利益
1604 その他
解雇後組合に加入したX2の職場復帰後の業務を解雇前の営業事務からタイヤ転がしに変更し、それに伴い女子ロッカー及び机を移動したことは、同人の組合活動に嫌悪感を抱きながらも、解雇を撤回せざるを得なかった会社が、報復的に取った不利益な処遇と言わざるを得ず、労組法第7条第1号に該当する不当労働行為であるとされた例。

1201 支払い遅延・給付差別
2610 職制上の地位にある者の言動
2611 その他の従業員の言動
2621 個別的示唆・説得・非難等
2800 各種便宜供与の廃止・拒否
部長らの職制が組合員X2に対し、①就労時間内の組合活動について、勤務時間中は職務に専念するよう注意したこと、②会社の塀に無断で組合旗を掲揚することを認めない等の発言をしたこと、③私傷について診断書の提出を求め、有給を使って治療に専念してほしい旨の発言、治療のため退社した日の賃金を支払わない措置をとったこと、④X2と一緒に仕事をしたくない旨発言したことは当労働行為と認められないとされた例。

1201 支払い遅延・給付差別
組合員X2の解雇を撤回した以上その効果として解雇がなかったものとして継続して勤務したものとして取り扱うべきであり、解雇期間中に他の従業員に夏季一時金を支給している以上、X2にも同一時金を支払うべきものと解されるから、同一時金不払いはX2が組合員であること、同人の正当な組合活動を嫌悪したことに起因したものと言うべきであり、労組法第7条第1号に該当する不当労働行為であるとされた例。

1604 その他
2901 組合無視
駐車場を使用する従業員に免許証のコピーの提出を求めた会社が、組合と協議や説明をすることなく、コピーを提出しなかった組合員X2に駐車場の使用を差し止めたことは不当労働行為といえないとされた例。

2240 説明・説得の程度
2230 不穏当な態度
第1回団交における会社の対応は幾分、誠実性を欠いていることは否定できないが、組合の対応にも問題があり、第1回団交の不調を、あげて会社の責に帰することはできず、一連の経過を総合的に勘案すれば、会社の対応をもって団交拒否に該当するとまでは評価できないとされた例。

2800 各種便宜供与の廃止・拒否
会社に無断で正門横の塀に、昼夜を問わず常時組合旗を掲揚したことに対し、会社が設管理上自力撤去に及んだことはやむを得ないものあって、不当労働行為とは評価できないとされた例。

2620 反組合的言動
2621 個別的示唆・説得・非難等
会社社長による社内唯一の組合員であるXのストライキを揶揄するとともに、組合を誹謗し、X2に組合離反をそそのかす発言は労組法第7条第3号の支配介入に該当するとされた例。

業種・規模  卸売業、小売業、飲食店 
掲載文献   
評釈等情報   

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顛末情報
事件番号/行訴番号 命令区分/判決区分 命令年月日/判決年月日
中労委平成17年(不再)第49号・52号 一部変更 平成18年11月1日
 
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