労働委員会命令データベース

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概要情報
事件名  酒見物産 
事件番号  兵庫県労委平成16年(不)第4号 
申立人  神戸ワーカーズユニオン 
被申立人  酒見物産株式会社 
命令年月日  平成18年 2月 9日 
命令区分  一部救済(命令書主文に救済部分と棄却又は却下部分を含む) 
重要度   
事件概要  本件は、会社が、①組合分会員に係る労働条件及び一時金支給等に関する団体交渉においての不誠実な対応、②分会員に対する個別面談等の際の言動、③非組合員の申立外企業への転籍、④分会委員長X1に対して行った班長職務解任処分が不当労働行為であるとして、争われた事件である。
 兵庫県労委は、会社に対し、①X1に対する班長職務解任処分がなかったものとしての取扱い及びバックペイ(年率5分加算)、②文書交付を命じ、その余の申立てを棄却した。 
命令主文  1 被申立人酒見物産株式会社は、平成16年10月25日付けで申立人神戸ワーカーズユニ オン酒見物産分会の前分会委員長であるX1に対して行った班長職務解任処分がなかったも のとし、処分の日から平成17年6月30日までの間に同人が受けるはずであった職務手当相当 額に、各支払期日の翌日から支払済みに至るまで年5分の割合による金員を加算して支払わ なければならない。
2 被申立人酒見物産株式会社は、本命令書写し交付の日から7日以内に、申立人神戸ワーカ ーズユニオンに対して下記文書を交付しなければならない。
 
判定の要旨  2240 説明・説得の程度
分会員に対する一時金の減額理由、定年延長をしない理由等に関する団交における会社の対応は、協議又は説明を尽くしたものといえず、組合を著しく軽視し、分会員に継続雇用への不安を与えものであって、労組法7条2号に該当する不当労働行為とされた例。

2610 職制上の地位にある者の言動
2620 反組合的言動
3106 その他の行為
会社社長Y1らの分会員に対する脱退勧奨又は別組合結成の勧奨あるいは組合に対する誹謗中傷の言動及び非組合員を社長Y1らが設立した申立外企業に転籍させたことは労組法第7条第3号の支配介入に該当する不当労働行為とされた例。

3601 処分の程度
会社側代理人弁護士Y2が分会交渉において社長は組合に強い抵抗感情を持っている等と指摘したことをもって、組合の弱体化を企図したものとは認められないので、労組法第7条第3号の支配介入に該当しないとされた例。

1400 制裁処分
分会長X1に対して班長職解任処分を行った理由に合理性が認められず、分会員に対して脱退勧奨等を行うなどしていた時期になされた本件処分は、会社が組合を弱体化させるために行った労組法7条1号に該当する不当労働行為とされた例。

4301 労組法7条3号(支配介入、経費援助)の場合
本件不誠実団交及び支配介入に関する申立ては、本件審問終結時点で全分会員が会社の従業員の地位を喪失していることから、救済の実効性がなく、救済利益が失われているとされた例。

4414 その他の不利益の場合
4421 文書掲示等を命じた例
班長職務解任処分を受けた分会長X1は事業所の閉鎖により解雇されているため、同人の原職復帰を求める申立ては救済利益がなので棄却するが、同人に対する職務手当相当額の支払及び誓約文の交付を命じることが相当とされた例。

業種・規模  廃棄物処理業 
掲載文献   
評釈等情報   

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