労働委員会命令データベース

(この事件の全文情報は、このページの最後でご覧いただけます。)

[命令一覧に戻る]
概要情報
事件名  金剛自動車 
事件番号  大阪府労委平成15年(不)第13号 
大阪府労委平成14年(不)第7号 
大阪府労委平成13年(不)第39号 
申立人  自交総連金剛自動車労働組合 
被申立人  金剛自動車株式会社 
命令年月日  平成17年10月24日 
命令区分  一部救済(命令書主文に救済部分と棄却又は却下部分を含む) 
重要度   
事件概要  本件は、会社が、①組合に対し、特別出勤に関する協定等を破棄して祝日手当及び特別出勤を廃止する旨通知した後、これについて団交協議中であるにもかかわらず、一方的廃止を実施して、当該手当を支払わないこと、②組合に対し、賞与に関する協定等を破棄する旨一方的に通告し、会社が一方的に定めた基準を適用するとして、組合員に対し賞与を支払わないこと、③会社課長に、組合員に対して個別に労働条件変更の働きかけを行わせ、脱退工作を行ったことが不当労働行為であるとして、争われた事件である。
 大阪府労委は、会社に対し、特別出勤及 
命令主文  1 被申立人は、申立人に対し平成13年4月19日付けで通知した特別出勤(公休出勤)及び 祝日手当の廃止並びに全労働組合員に対し同年5月18日付けで通知した特別出勤(公休出  勤)の廃止について、申立人に対し会社の経営状況を示す資料を提示するなどして、団体交渉 において誠実に協議しなければならない。

2 被申立人は、平成14年夏季及び冬季賞与について、申立人との団体交渉において誠実に 協議しなければならない。

3 申立人のその他の申立ては棄却する。 
判定の要旨  2240 説明・説得の程度
2251 一方的決定・実施
会社は特別出勤及び祝日手当の廃止について、その必要性や経営状況等について詳しい説明を行わなかった対応は、組合との団交に誠実に応じないまま、労使慣行の廃止及び労使協定の破棄を一方的に実施したことは、組合を軽視し、労働条件を不利益に変更するものであって労組法第7条第2号及び第3号に該当するとされた例。

1201 支払い遅延・給付差別
特別出勤及び祝日手当は組合と別組合で乗務数や手当に係る扱いが異なっており、特別出勤及び祝日手当の廃止により組合の組合員のみが不利益に取り扱われているとまではみることができず、また、実質的に組合を別組合と差別する意図があるとは認められないから、不利益取扱いがあったとはいえないとされた例。

2240 説明・説得の程度
2244 特定条件の固執
会社が14年夏季及び年末賞与について従前の支給率及び特勤営収の支給率等に係る協定書の破棄を通告しながら、その根拠について具体的な資料等を提示しての説明をおこなっておらず、また、労使協定を一方的に破棄する中で、賞与の支給基準に大きな影響を与える乗務数の変更に関する団交において、会社が自らの提案した条件に終始固執し続けて誠実に団交に応じないまま、労使慣行の廃止及び労使協定の破棄の一方的に実施したことは、労組法第7条第2号及び第3号に該当する不当労働行為であるとされた例。

1201 支払い遅延・給付差別
会社と組合との間では、乗務数についての団交が繰り返し開催されていることが認められ、会社が経営状態の悪化に対応するために賞与の支給基準に大きな影響を与える乗務数の変更を提案をしたこと自体は、あながち不合理なもにとはいえず、平成14年夏季及び冬季賞与に関して合意がなされていないのであるから、会社が組合員に同賞与を支払わないこと自体は不利益であったとしても、組合の組合員のみを不利益に取り扱うことを意図したものとみることはできないとされた例。

2621 個別的示唆・説得・非難等
2610 職制上の地位にある者の言動
運行管理の責任者として無線配車や始就業点呼などを行っていた運輸部第二課長が組合員らに対して個別に生産性をもう少し上げるよう述べているが、会社の意を受けて行われたと認めるに足る疎明はなく、課長の職責として営収の低い乗務員に対する指導等を行っていたみるべきであって、組合からの脱退を慫慂したとは認められないとされた例。

業種・規模  道路旅客運送業(ハイヤー、タクシー業) 
掲載文献   
評釈等情報   

[先頭に戻る]
 
[全文情報] この事件の全文情報は約249KByteあります。 また、PDF形式になっていますので、ご覧になるにはAdobe Reader(無料)のダウンロードが必要です。