概要情報
事件名 |
井之頭病院 |
事件番号 |
東京都労委平成15年(不)第113号
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申立人 |
井之頭病院労働組合 |
申立人 |
X1外7名 |
被申立人 |
財団法人井之頭病院 |
命令年月日 |
平成17年 9月20日 |
命令区分 |
全部救済(命令主文に棄却又は却下部分を含まない) |
重要度 |
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事件概要 |
本件は、法人が、それまでの慣行に反し、組合専従を不就業として
扱 い、組合員らの賞与を減額したことが不当労働行為であるとして、争われた事件である。
東京都労委は、法人に、組合専従時間分の減額がなかったものとしての取扱い及びバックペイを命じた。 |
命令主文 |
1 被申立人財団法人井之頭病院は、申立人X1、同X2、同X3、
同X4、同X5、同X6、同X7及びX8に対する平成15年度年末賞与及び16年度夏季賞与の出勤率算定に当 たり組合専従
時間分の減額がなかったものとして取り扱い、同人らに対して、下表記載の金員を支払わなければならない。
氏名 金額
X1 52,538円
X2 39,914
X3 3,620
X4 74,238
X5 4,975
X6 25,193
X7 86,604
X8 84,421
2 被申立人財団は、前項を履行したときは、速やかに当委員会に文書で報告しなければならない。 |
判定の要旨 |
0120 政治(党)活動
① 長年にわたり労使間では、組合専従を不就業日として扱い、賞与からの減額控除を行わない旨の合意に基づく運用がなされて
いたのであり、これを改めるに当たっては、病院は、その理由を明確にし、変更の必要性等についての十分な説明及び理解を得る
ための努力が必要であったが、団体交渉において組合専従問題について、病院が積極的に交渉しようとした経緯はみられず、他
方で、病院はこれと近接した時期に、組合員の執行部に対する不信 感を増幅させるような支配介入の発言を行い、現執行部に対
する嫌悪の念から書面協定がないことに乗じて、一貫して法人従業員 数の過半数を組織している組合との合意に基づき運用され
てきた チェック・オフを中止するなどしたことを勘案すれば、賞与算定 に当たり、組合専従を不就業日として扱うこととした
ことは、支 配介入に当たるとされた例。② 本件の救済として、組合専従を不就業日として扱うことにより賞与から減額した金
額の支払いを命じる一方で、当該減額の禁
止を求める請求については、組合専従制度の運用の変更を今後一切禁じることは相当ではないとして、この請求を認めなかった
例。
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業種・規模 |
医療業 |
掲載文献 |
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評釈等情報 |
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