概要情報
事件名 |
ワタナベ学園 |
事件番号 |
埼玉県労委平成15年(不)第3号
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申立人 |
全労協全国一般東京労働組合 |
被申立人 |
学校法人ワタナベ学園 |
命令年月日 |
平成17年 9月29日 |
命令区分 |
一部救済(命令書主文に救済部分と棄却又は却下部分を含む) |
重要度 |
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事件概要 |
本件は、学園が、①組合員X1の定年延長問題を議題とする団体交渉に応じなかったこと、②同人の定年後雇用を継続しなかったことが不当労働行為であるとして、争われた事件である。 埼玉県労委は、団交拒否について文書掲示を命じ、その余の申し立ては棄却した。 |
命令主文 |
1 被申立人は、本命令書受領の日から5日以内に、下記誓約書を縦1メートル、横1.5メートルの白紙に明記して、学園内の職員が見やすい場所に7日間掲示しなければならない(下記誓約書中の年月日は、掲示の日を記載すること。)。
記
誓約書
本学園が、X1の雇用の継続を含む定年延長問題に関する全労協全国一般東京労働組合からの団体交渉の申入れを拒否した行為は、埼玉県労働委員会において、労働組合法第7条第2号に該当する不当労働行為と認定されました。 したがって、今後、このような行為を繰り返さないよう誓約します。
平成 年 月 日
学校法人ワタナベ学園 代表者理事 Y1
2 申立人のその余の申立ては、これを棄却する。 |
判定の要旨 |
2130 雇用主でないことを理由
2250 未妥結・打切り・決裂
定年年齢に達して労働契約が終了した組合員X1の雇用継続を求めて組合が団交を申し入れた場合、学園はX1との関係でなお労組法7条の「使用者」というべきであるから、理事会で決定したことを理由に団交を拒否し、その後の団交において、「定年延長はこれをなさない」として一方的に団交打切りを宣言したことは、労組法第7条第2号に該当する不当労働行為であるとされた例。
4503 他の救済との関係で団交の必要性を認めなかった例
X1の定年退職問題について学園が「正当な理由」なく団交を拒否した不当労働行為に関する救済としては、X1が退職して学園には組合の組合員がいなくなり、X1の雇用継続拒否自体は不当労働行為に当たらないと判断されることから、学園に団交応諾を命ずることは相当でなく、学園に対して労組法第7条第2号に該当する行為があったこと、及び、今後このような行為を繰り返さないことを公示させる必要があるとして、ポスト・ノーティスを命じた例。
1106 契約更新拒否
学園が定年退職後の組合員X1を再雇用しなかったことは、定年後の再雇用が常態化していたとはいえず、X1と同時期に定年退職となった非組合員Z1も再雇用されていないこと等からすると、学園の対応は不当労働行為には当たらないとされた例。
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業種・規模 |
その他の事業サービス業(建物サービス業、民営職業紹介所、警備業等) |
掲載文献 |
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評釈等情報 |
 
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