事件名 |
アサヒ急配外1者 |
事件番号 |
大阪府労委平成16年(不)第29号
大阪府労委平成15年(不)第70号
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申立人 |
全国一般労働組合大阪地方本部アサヒ急配労働組合 |
被申立人 |
アサヒ急配株式会社 |
被申立人 |
Y1 |
命令年月日 |
平成17年12月 7日 |
命令区分 |
全部救済(命令主文に棄却又は却下部分を含まない) |
重要度 |
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事件概要 |
本件は、組合が団交を申し入れたところ、会社が、①会社と運送委託
契約を締結した者は個人事業主であり労働者ではないとの理由で団体交渉を拒否したこと、②運送委託契約者に組合からの脱退や
組合への非加入を促したこと、③委託契約者である組合員3名に対する運送委託契約解除及びうち2名に対する解除予告通知後の
意図的な仕事量の減少したこと、④正社員である組合員に対する大幅な賃金減額及び社宅退去等の職務命令等を発したことが不当
労働行為であるとして、争われた事件である。
大阪府労委は、会社に対し、①運送委託契約者である組合員の団交出席や運送委託契約者に関する議題の誠実団交応諾、②組合
への加入妨害や脱退勧奨等の行為の禁止、③組合員3名の運送委託契約解除がなかったものとしての取り扱い及びバック・ペイ、
④組合員1名に対する職務命令がなったものとしての取り扱い及びバック・ペイ、⑤文書手交を命じ、会社弁護士に対する申立て
は同人が労組法上の使用者ではないとして却下した。 |
命令主文 |
1 被申立人Y1に対する申立てを却下する。
2 被申立人アサヒ急配株式会社は、申立人全国一般労働組合大阪地方本部アサヒ急配労働組 合が平成15年8月5日付要求書
で申し入れた事項を議題とする団体交渉において、運送委託 契約者である組合員の出席や運送委託契約者に関する議題の交渉を
拒否してはならず、誠実 に同団体交渉に応じなければならない。
3 被申立人アサヒ急配株式会社は、運送委託契約者に対し、申立人全国一般労働組合大阪地 方本部アサヒ急配労働組合への加
入妨害及び同組合からの脱退を促すような行為を行っては ならない。 |
判定の要旨 |
4916 企業に影響力を持つ者
会社の代理人である弁護士Y1は会社の意を受けた代理人として言動したものであって、組合員の労働条件の決定につき、Y1が
現実的かつ具体的に支配力を有していたとまではみることができないから、同人に対する組合の申立てが却下された例。
1604 その他
運送事業を営む会社の正社員は13名であるのに対し委託契約者は約100名にのぼり、会社の業務は委託契約者の存在なしには
成り立たないこと、委託契約者は会社が決定した業務を会社の指示の下に行っていること、会社は委託契約者に対しても服務上の
義務を課していたこと、委託契約者は会社の指揮監督に従って労務を提供して、その労務に対する対価として報酬を受け取ってい
たこと、委託契約者が業務を行うに当たり必要な経費を概ね会社が負担していたとみられることを総合すれば、委託契約者は会社
との関係において労組法上の労働者と認めるのが相当とされた例。
2123 その他交渉出席者
2300 賃金・労働時間
2112 雇用する従業員不存在
会社が、委託契約者は会社との関係において労組法上の労働者でないとして、委託契約者の団交出席を拒否したり、委託契約者の
労働条件等を議題とする団交を拒否したり、団交を一方的に中断したこと等は労組法第7条第2号の不当労働行為に該当するとさ
れた例。
2621 個別的示唆・説得・非難等
会社社長及び弁護士Y1が、「委託契約者は労働者とは認めない」、「組合に加入した委託契約者は契約解除を通知した」、旨の
発言を行ったことは、組合加入を通知した委託契約者に委託契約の終了を通知するなどとともに、組合からの脱退を促し、組合の
弱体化や組織破壊を企図した労組法第7条第3号の不当労働行為に該当するとされた例。
1106 契約更新拒否
3010 労組法7条1号(不利益取扱い、黄犬契約)と競合
会社が、組合加入を通知した委託契約者全員に対して委託契約の終了を通知して、契約期間終了後は契約を更新しなかったことは
組合結成を嫌悪した会社が組合員である委託契約者から仕事を奪うとともに職場から排除することにより組合の弱体化や組織破壊
を図ろうとした労組法第7条第1号及び第3号の不当労働行為に該当するとされた例。
3010 労組法7条1号(不利益取扱い、黄犬契約)と競合
1302 就業上の差別
会社が、組合加入を通知した委託契約者全員に対して委託契約の終了を通知した後契約期間満了までの組合員X1及びX2に対す
る業務量を減らし、その報酬額を減少させたことは組合員を不利益に取扱い、組合員を排除することによって組合の弱体化や組織
破壊を図ろうとした労組法第7条第1号及び第3号の不当労働行為に該当するとされた例。
1601 福利厚生上の差別
3010 労組法7条1号(不利益取扱い、黄犬契約)と競合
会社が、組合加入を通知した正社員であるX3に対して居住していたプレハブの建物の明け渡しなどを命ずる職務命令を発したこ
とは、X3の居住場所を奪うなど不利益に取扱うとともに他の従業員の組合加入を妨害し、組合の弱体化を図ろうとした労組法第
7条第1号第3号の不当労働行為に該当するとされた例。
3010 労組法7条1号(不利益取扱い、黄犬契約)と競合
1302 就業上の差別
会社が、組合加入を通知した正社員であるX3に対してそれまで従事していた業務を取り上げて賃金を引き下げたことは、同人を
不利益に取扱うとともに他の従業員の組合加入を妨害し、組合の弱体化を図ろうとした労組法第7条第1号第3号の不当労働行為
に該当するとされた例。
2621 個別的示唆・説得・非難等
会社社長が組合加入を通知したX4に対して、委託契約が解除になるのは組合に入ったからである、組合に入る人は会社として雇
うわけにはいかないなどと述べたことは、同人の委託契約終了日の前日に、組合の副委員長である同人を将来の就職への安心感や
金銭と引き換えに組合から脱退させようとしたものであり、組合の弱体化や組織破壊を企図した労組法第7条第3号の不当労働行
為に該当するとされた例。
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業種・規模 |
道路貨物運送業 |
掲載文献 |
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評釈等情報 |
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