労働委員会命令データベース

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概要情報
事件名  アークフジオカ 
事件番号  大阪府労委平成15年(不)第4号 
申立人  全日本建設交運一般労働組合関西支部 
被申立人  株式会社アークフジオカ 
命令年月日  平成17年 9月 7日 
命令区分  一部救済(命令書主文に救済部分と棄却又は却下部分を含む) 
重要度   
事件概要  本件は、会社が、①組合との間で締結した確認書に反し、組合及び組合員らに不利益を及ぼす賃金体系に変更するとともに、組合員らに対して非組合員である従業員と比較して不公平な配車を行い、同人らの賃金を減少させたこと、②賃金規程の改定に関する組合との団体交渉を拒否したことが不当労働行為であるとして、争われた事件である。
 大阪府労委は、会社に対して、①個人別歩合給の廃止についての誠実協議、②賃金体系の変更のなかったものとしての取扱い及び年率5分加算のバック・ペイ、③組合員に対する配車について、非組合員と同等な取扱い、④誠実団交応諾、⑤文書手交を命じ、その余の申立を棄却した。 
命令主文  1 被申立人は、平成14年5月における個人別歩合給の廃止について、申立人組合と誠実に協 議を行わなければならない。

2 被申立人は、平成14年7月における賃金体系の変更がなかったものとして取り扱うととも に、これらの賃金体系の変更がなければ得られたであろう賃金相当額と既払額の差額及びこ れに対する年率5分の割合による金員を付加して、申立人X2、同X3、同X4、同X5、 同X6、同X7、同X8、同X9及び同X10に対し支払わなければならない。

3 被申立人は、申立人組合員に対する配車につき、同人らの平均給与が申立人組合員以外の 運転手と同等に取り扱わなければならない。

4 被申立人は、平成14年7月27日から同15年1月8日の間に申立人組合から申し入れのあっ た団体交渉について、誠実に応じなければならない。

5 被申立人は、申立人に対し、下記の文書を速やかに手交しなければならない。
  (下記略)

6 申立人のその他の申立は棄却する。 
判定の要旨  2251 一方的決定・実施
2902 労組法7条2号(団交拒否)と競合
会社が事前協議や事前合意を定めた労働協約である確約書を無視して、組合と真摯に協議することなく個人別歩合給制の廃止及び新賃金体系の導入など賃金体系を一方的に変更したことは、労組法第7条第3号に該当する不当労働行為であるとされた例。

1302 就業上の差別
会社は配車次第で賃金に大きな差の出る新賃金体系導入し、同制度導入後は組合員に不利な配車を行うことにより同人らの賃金を減少させる不利益を与えたものとみざるを得ず、これはもって組合の弱体化を図ったとみるのが相当であり、労組法第7条第1号及び第3号に該当する不当労働行為とされた例。

1203 その他給与決定上の取扱い
会社が個人別歩合給制を廃止したことにより組合員らの賃金が減少することがあるとしても、その結果は全従業員に及んでおり、同廃止が、賃金制度の変更として合理的なものであるかどうかはともかく、組合員であること等を理由として、同人らに対し不利益な取扱いを行ったものとは認められないから、労組法第7条第1号の不当労働行為とはいえないとされた例。

2300 賃金・労働時間
2250 未妥結・打切り・決裂
会社は賃金規程の改定に関する団交における組合員の発言を団交決裂ととらえ、以後5ヶ月以上組合が団交申入書を提出しようとしてもその受取を拒否して団交を拒否したことは正当な理由のない団交拒否に不当労働行為とされた例。

業種・規模  道路貨物運送業 
掲載文献   
評釈等情報   

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