概要情報
事件名 |
ナブコ/ナブテスコ産業 |
事件番号 |
大阪府労委平成16年(不)第14号
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申立人 |
管理職ユニオン・関西 |
被申立人 |
ナブコサンギョウ株式会社 |
被申立人 |
ナブテスコ株式会社 |
命令年月日 |
平成17年 6月 8日 |
命令区分 |
棄却(命令主文が棄却のみ又は棄却と却下) |
重要度 |
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事件概要 |
ナブテスコが業務請負契約に基づき、自ら雇用する組合員をナブコで働かせていた問題に関し、(1)ナブテスコが、団交において会社間の請負契約書や公共職業安定所からの是正指導書を提示しないなど不誠実に対応したこと、(2)ナブコが、組合員の実質的人事決定権を持っているにもかかわらず、組合員との雇用関係がないとして団交に応じていないことが不当労働行為であるとして、争われた事件で、申立てを棄却した。 |
命令主文 |
本件申立てをいずれも棄却する。 |
判定の要旨 |
4907 合併・組織変更後の新企業体
ナブコは、ナブテスコの100%子会社であること、ナブコの本社はナブテスコに吸収合併される前のナブコの本社と同一の所在地にあること、組合員X1及びX2はナブコとパートタイマー契約を締結していたこと、両組合員はナブテスコの工場で勤務していたこと等が認められるところ、ナブテスコとナブコが一体のものであるとか、ナブテスコがナブコの雇用したパートタイマー従業員の人事決定権をもっているとまでは認められないもないものの、ナブコを吸収合併したナブテスコは、組合員X1及びX2のナブテスコの工場における作業及び関連業務、就業環境などに関して、雇用主と同視できる程度に具体的に支配、決定できる部分については、使用者として組合との団交に応じる義務があると考えるのが相当とされた例。
2302 労務管理・労使関係
2249 その他使用者の態度
2250 未妥結・打切り・決裂
組合とナブコとの団交において、組合は抽象的に組合員の雇用形態が違法派遣であることを認めさせることに拘泥し、他方ナブコは派遣法違反は行っていないと繰り返し、請負契約であるとの前提で改善に努力する旨の対応に終始していることなどを総合的に判断すると、組合とナブコの間には、なお団交による交渉の余地がないとはいえないが、ナブコの対応が不誠実であったとは認められないとされた例。
2235 その他組合の態度
2249 その他使用者の態度
ナブテスコに吸収合併される前のナブコは、組合の団体交渉申入れに対して組合員2名の就業環境についてはあらかじめその内容を具体的に明示してほしい旨、その上で協議の希望日時等を回答したい旨伝えているところからすると団交に応じる意思があったと解するのが相当であり、組合がこれに対して具体的な協議事項等を提示することなく、本件申立てに至ったことを勘案すれば、組合とナブコの間で団交が開催されていないことのみをもって、団交拒否の不当労働行為があったとはいえず、本件申立て以降、ナブコは自ら団体交渉に応じる義務がある事項については団体交渉に応じていることが認められるから、ナブコの団交拒否に係る申立ては棄却するとされた例。
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業種・規模 |
精密機械器具製造業 |
掲載文献 |
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評釈等情報 |
 
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