労働委員会命令データベース

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概要情報
事件名  鶴鳴学園 
事件番号  長崎県労委 平成15年(不)第1号 
申立人  鶴鳴学園教職員組合 
申立人  長崎県私立学校教職員組合連合 
被申立人  学校法人鶴鳴学園 
命令年月日  平成17年 3月22日 
命令区分  棄却(命令主文が棄却のみ又は棄却と却下) 
重要度   
事件概要  法人が、賃金の一部カットを含む給与制度の変更について、誠実な団体交渉を行わずにこれを実施したことが不当労働行為であるとして、争われた事件で、申立てを棄却した。 
命令主文  本件申立てを棄却する。 
判定の要旨  2215 上部団体参加否認
学園が団体交渉の席上組合の上部団体役員に団体交渉に入ってもらいたくない旨繰り返し発言したことは、団体交渉時における使用者の発言として適切ではないが、学園のいわゆるライバル校に在職している上部団体役員に対するものとしては素朴な心情の発露とも捉えることができ、このことは、学園が上部団体役員に自己紹介を促したことや同役員らが3回の団体交渉にすべて終了まで参加していたことからも明らかであり、かかる発言をもって上部団体役員を団体交渉の当事者から排除することを目的として行ったものとは認められず、学園の発言をもって団体交渉拒否の不当労働行為とまではいえないとされた例。

2240 説明・説得の程度
組合は団体交渉において学園の提案した収支改善施策の内容を検討するためには消費収支計算書等の財務三表の開示を要求し、本来組合は既に知り得た施策の具体的内容や財政の現状及び将来予測等を踏まえて、学園に対して不明な点の説明を求め、あるいは具体的理由を示して必要とする資料の提示を求めるべきであったにもかかわらず、いたずらに過去10年分の財務三表の開示にこだわり、学園から何が知りたいのか明らかにするよう求められても答えずに、財務三表の開示ありきの姿勢に終始して、団体交渉の議題である収支改善施策の内容に関する実質的な協議に至らなかったのであって、学園が過去10年分の財務三表を開示しなかったとしても、これにより団体交渉拒否の不当労働行為であるとする組合の主張は採用できないとされた例。

2235 その他組合の態度
収支改善施策の実施に関する団体交渉における学園の対応はいずれも労組法7条2号の不当労働行為に該当しないのであるから、学園の団体交渉における対応をもって同条3号の不当労働行為にも該当しないとされた例。

1203 その他給与決定上の取扱い
5121 挙証・採証
組合は、組合の同意なくして学園が収支改善施策の一環である賃金カットを一方的に行ったことは組合員に対する不利益取扱いの不当労働行為であると主張するが、労組法7条1号の不利益取扱いが成立するためにはいわゆる不当労働行為意思が必要と解されているところ、組合の主張及び立証には不当労働行為意思とされる反組合的な意思ないし動機を示していなかったのであるから、組合の主張が採用できないとされた例。

1203 その他給与決定上の取扱い
5121 挙証・採証
組合は、人事院勧告等に準拠した形での賃金カットについても、学園が組合の同意なくして実施したもので不当労働行為であると主張するが、組合は労組法7条1号の構成要件に即した主張を行ったとは認められないから、組合の主張が採用できないとされた例。

業種・規模  教育(自動車教習所を含む) 
掲載文献   
評釈等情報   

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