労働委員会命令データベース

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概要情報
事件名  勝英自動車学校・所沢中央自動車教習所 
事件番号  埼玉地労委 平成13年(不)第4号 
申立人  東京自動車教習所労働組合 
申立人  東京自動車教習所労働組合所沢中央自動車教習所支部 
被申立人  株式会社所沢中央自動車教習所 
被申立人  株式会社勝英自動車学校 
命令年月日  平成16年10月 6日 
命令区分  一部救済(命令書主文に救済部分と棄却又は却下部分を含む) 
重要度   
事件概要  会社が実質的に支配するT自動車教習所とともに、組合員23人を業務の適正化を図ること等を理由として教習指導員又は技能検定員から解任したこと、教習所の不法占拠・業務妨害行為等を理由として同人らを解雇又は懲戒解雇したことが不当労働行為であるとして、争われた事件で、会社に、組合員23名に対する解雇又は懲戒解雇の撤回並びに原職復帰及びバックペイ及び文書交付を命じ、その余の申立ては棄却した。 
命令主文  1 被申立人株式会社所沢中央自動車教習所は、別紙目録氏名の欄に掲げる23人の者に対する平成12年11月20日付けの解雇又は懲戒解雇を撤回し、それぞれ同目録教習指導員の欄又は技能検定員の欄に掲げる資格に応じて、教習指導員又は技能検定員の原職に復帰させるとともに解雇がなかったならば得られたであろう賃金相当額を支払わなければならない。
2 被申立人株式会社所沢中央自動車教習所は、申立人らに対し、下記の文書を本命令書受領の日から5日以内に交付しなければならない(下記文書の中の年月日は、交付の日を記載すること。)。
        記
                 平成 年 月 日
東京自動車教習所労働組合
 執行委員長 X1 様
東京自動車教習所労働組合
所沢中央自動車教習所支部
 支部長 X2 様
             株式会社所沢中央自動車教習所
              代表取締役 Y2
 株式会社所沢中央自動車教習所が、東京自動車教習所労働組合所沢中央自動車教習所支部の組合員らに対して、平成12年11月17日に教習指導員又は技能検定員からの解任を行ったこと、同じく同年11月20日に解雇又は懲戒解雇を行ったことは、埼玉県地方労働委員会において不当労働行為と認定されました。今後、このような行為を繰り返さないよう誓約します。
3 申立人らのその余の申立ては、これを棄却する。 
判定の要旨  4908 営業譲渡後の譲受人
会社は、組合の組合員らの使用者と認められるが、譲渡予定先会社(後に実質上の譲渡契約解除)取締役は、会社の労働関係上の諸利益等についての具体的な行為を行ったことは認められず、また、組合が譲渡予定先会社に団交を求めたり、譲渡予定先会社が団交に応じたとされる具体的事実は認められず、譲渡予定先会社から業務命令があったという具体的事実も認められないこと等から、同社は組合員らに対する労働関係上の諸利益等について実質的な支配をしていたとは認められず、組合員らの使用者とは認められないとされた例。

1604 その他
2620 反組合的言動
会社は、業務の適正化を図るなどという理由からX2を除く22名の組合員に対して教習指導員又は技能検定員からの解任を行い、また、会社の不法占拠・業務妨害行為を行ったなどという理由からX1、X2を除く21名の組合員に対し解雇を行ったが、組合員らは、会社幹部の指示と監督の下に窓口業務や配車業務に着手しその業務を行ったものであり、組合員らがこれらの業務を行ったことにより会社の運営が停滞したという具体的な事実までは認められないことから、組合員による不法占拠・業務妨害行為が行われたとまでは認められず、本件解雇は、7名の組合員に対して会社が行った解任に抗議し、撤回を求めストライキの通告、実施を行った組合員全員に対して、報復的な解任をし、さらに、既に教習指導員又は技能検定員たる資格を剥奪された組合員に対し、従業員たる地位も奪うことにより組合員らを会社から完全に排除すべく行われた解雇であったことが認められ、労組法7条1号及び3号の不当労働行為であるとされた例。

1400 制裁処分
3500 処分の時期
会社は、X1が本件教習所の不法占拠・業務妨害を行ったことに加え、Z1に対して暴行を加えたことを理由に懲戒解雇を行ったが、暴行事件が発生してから5か月もの間に何ら制裁を科した事実は認められないにもかかわらず、他の組合員らに対する11月20日付け解雇と同時に懲戒解雇を行っていることは極めて不自然であることから、X1に対する懲戒解雇は他の組合員とともに、会社から排除すべく行われた労組法7条1号及び3号に該当する不当労働行為であるとされた例。

1400 制裁処分
3500 処分の時期
3608 動機の競合
会社は、X2のセクハラ行為に対し同人が反省の態度を示さないことを理由として、教習指導員から解任したが、セクハラ行為については、具体的な事実があったというほどには明らかになっていないこと、同人に対する懲戒解雇は、他の組合員に対する11月20日付け解雇と同時に行われたもので、同解雇の理由となっている本件教習所の不法占拠・業務妨害とされる行為を理由としており、理由を同じくする11月20日付け解雇が、上記のとおり不当労働行為と認められることから、同一行動をとったX2に対する懲戒解雇も、X2を会社から排除すべく行われた労組法7条1号及び3号に該当する不当労働行為であるとされた例。

業種・規模  教育(自動車教習所を含む) 
掲載文献   
評釈等情報   

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