労働委員会命令データベース

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概要情報
事件名  柏市 
事件番号  千葉地労委 平成14年(不)第1号 
申立人  柏現業労働組合 
被申立人  柏市 
命令年月日  平成16年 1月 7日 
命令区分  一部救済(命令書主文に救済部分と棄却又は却下部分を含む) 
重要度   
事件概要  本件は、(1)市が組合の申入れた小学校の給食調理業務に関する団体交渉を拒否したこと、(2)市立小学校の校長が調理業務について、民間委託が決定した旨組合員に虚偽の報告をしたこと、(3)市の人事課長が組合の運営に干渉する発言をしたことが不当労働行為であるとして、争われた事件で、市に対し、誠実団交応諾及び文書交付を命じ、その余の申立ては棄却した。 
命令主文  1 被申立人は、小学校給食の調理業務の外部委託に関し、労働条件についての申立人との団体交渉に応じなければならない。
2 被申立人は、本命令書交付後1週間以内に下記文言を記載した文書を申立人の代表者に交付すること。

            記
                 年 月 日
柏現業労働組合
代表者執行委員長 X1 様
                   柏市
                   代表者 柏市長
 当市が小学校給食の調理業務委託に関し、貴組合と平成14年2月21日、同年3月19日及び同月29日に行った団体交渉が、不誠実な団体交渉であり労働組合法第7条第2号に規定する不当労働行為であると千葉県地方労働委員会において認定されました。
 今後このような行為を繰り返さないようにいたします。
(注 年月日は手交した日を記載すること。)
3 その余の申立ては棄却する。 
判定の要旨  2307 その他
市は、市と組合との間の確認書の内容は地公労法7条に規定する管理運営事項であり、交渉によって解決できない内容を協定したもので無効であると主張するが、確認書の内容は労働条件に関連する側面について合意の上実施することを約したもので、労働条件に関する限度を超えるものでないこと等から、同確認書が無効ということはできないとされた例。

2307 その他
予算の提案については管理運営事項として一方的な強行をしないとの合意をしながら、他方で確認書の趣旨と相反する市議会に予算の提案は行う旨回答するのみであったという市の矛盾した対応は誠実な態度ではなく、市が給食の調理業務の委託に関わる予算を提案することと予算議決後の小学校給食の業務委託の実施とは、ともに管理運営事項であるとしても切り離して考えるべきものであり、業務委託の実施については、調理員の労働条件に変更が生ずる可能性があると考えられるから、市が権限を行使するに当たっては、確認書などで合意された誠実な団体交渉を行わなければならないのであり、労組法第7条第2号に該当すると判断された例。

2610 職制上の地位にある者の言動
2621 個別的示唆・説得・非難等
3106 その他の行為
学校長が、あたかも組合との協議を通じて合意が形成された如く業務委託を決定事項として伝えたとの具体的疎明はなく、さらに、学校長による調理業務の民間委託の実施を調理員らに対する一方的通告により組合員に動揺を与え、その結果組合員が脱退し、組合の影響力を減退させたことは認めることができず、支配介入であると判断することはできないとされた例。

業種・規模  地方公務(市町村機関) 
掲載文献   
評釈等情報   

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