概要情報
事件名 |
長井市 |
事件番号 |
山形地労委 平成14年(不)第1号
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申立人 |
長井市職員労働組合現業評議会 |
申立人 |
長井市職員労働組合 |
被申立人 |
長井市 |
命令年月日 |
平成16年 3月 9日 |
命令区分 |
一部救済(命令書主文に救済部分と棄却又は却下部分を含む) |
重要度 |
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事件概要 |
市が、(1)現業組合との交渉において、合意が成立しないまま又は交渉を行わないまま労働条件を変更したこと、並びにマスコミ公開等の条件を付して団交を拒否したこと、(2)組合休暇取得者の勤勉手当カットを実施したこと及び職員組合及び現業組合役員に対する文書訓告が不当労働行為であるとして、争われた事件で、市に対し、労働条件事項に関する団交誠実応諾及び文書手交を命じ、その余の申立ては却下又は棄却した。 |
命令主文 |
1 被申立人は、申立人が平成13年10月24日付けで申し入れた「現業職員の労働条件・賃金改善に関する統一要求書」及び「2001年賃金並びに労働条件などに関する要求書」並びに平成14年2月27日付けで申し入れた「2002年賃金並びに労働条件などに関する要求書」に係る交渉について、現業職員及び企業職員の労働条件に関する事項に限り、誠実に応じなければならない。 2 被申立人は、本命令書写しの交付の日から1週間以内に下記の文書を申立人に手交しなければならない。 (大きさはA4版とし、年月日は手交する日を記載すること) 3 平成13年3月17日以前の交渉に係る申立ては却下し、その余の申立ては棄却する。 記 長井市長Y1は、平成13年11月及び12月並びに平成14年3月の長井市職員労働組合及び長井市職員労働組合現業評議会との間の団体交渉において、団体交渉を拒否し、団体交渉に誠実に応じませんでした。 これらの行為は山形県地方労働委員会によって、現業職員及び企業職員の労働条件に関する事項に限り、労働組合法第7条第2号に該当する不当労働行為であると認定されましたので、今後このような行為を繰り返さないようにします。 平成 年 月 日 長井市長Y1 長井市職員労働組合執行委員長 X1殿 長井市職員労働組合現業評議会議長 X2殿 |
判定の要旨 |
4822 混合組合
職員組合は混合組合であるが、混合組合も非現業職員が主体となっているか否かにかかわらず、その所属する現業職員及び企業職員の労働条件の維持向上を図ることを目的とする団体である点においては労働組合としての性格を有するものであり、職員組合は、現業職員及び企業職員の労働条件に関する事項に限り、労働組合法上の労働組合として本件申立ての申立適格を有するとされた例。
5130 法2条但書との関係
現業組合は、独自の規約、意思決定機関、執行機関、財政を有し、職員組合と一体の活動もあるが独自の活動を行っており、労組法上の労働組合であり、本件申立ての申立人適格を有するものとされた例。
5201 継続する行為
団体交渉は、その都度完結するものであり、同一事項での交渉であっても継続する行為であるとはいえず、申立期間1年を経過した団交に係る申立ては不適法であるとされた例。
2120 交渉委任
2212 交渉の場所・時間
2244 特定条件の固執
平成13年11月の現業職員の労働条件に関する交渉については、市の説明は具体性に欠けること、助役に交渉権限が委任されていたかは疑問であること、交渉について公開のもとで行う等の条件を付し結果的に団交に応じないのは団交を拒否する正当な理由とはいえないこと、市が確保した交渉時間が十分であるとは言い難いこと等からすると、同交渉については労組法第7条第2号に該当する不当労働行為であると判断された例。
2240 説明・説得の程度
平成14年3月の昇給停止制度、期末手当等に関する交渉については、既に労使合意のないままに決定(変更)された労働条件等については、改めて合意形成に向けた努力を行うことを、組合らと市長は確認しており、且つ、同交渉において、市長は、組合らが労使の合意がなされていない事項について交渉での合意形成を求めていることを承知していたのであり、単に文書のみの回答では合意に向けた努力を行ったとはいえないから、同交渉は、労組法第7条第2号に該当する不当労働行為であると判断された例。
0420 その他の争議行為
1400 制裁処分
市から組合役員になされた文書訓告は、職員組合及び現業組合において決定され、組合役員が実施について企画し組合員に指示した座込みに関するものであるが、組合らは座込みに当たり、市庁舎使用許可を取っておらず、市庁舎管理規則に違反し、正当な組合活動として受認すべきであったとまではいうことができず、組合役員になされた本件文書訓告は、かかる行動を企画・指示したことに対し事後的に注意を喚起するものであり、組合活動への支配介入に当たるとまではいえないとされた例。
3106 その他の行為
条例改正に併せ規則が改正されたが、組合休暇取得者に対する勤勉手当の支給割合の算式が他の休暇取得者に対するものと比べて、特に不利に扱われているともいえないこと等から、組合休暇取得者への勤勉手当カットが支配介入に当たるとまではいえないとされた例。
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業種・規模 |
地方公務(市町村機関) |
掲載文献 |
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評釈等情報 |
 
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