概要情報
事件名 |
日本ビル・メンテナンス |
事件番号 |
大阪地労委 平成13年(不)第55号
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申立人 |
全国一般労働組合大阪地方本部日本ビル・メンテナンス労働組合 |
被申立人 |
日本ビル・メンテナンス株式会社 |
命令年月日 |
平成16年 2月17日 |
命令区分 |
一部救済(命令書主文に救済部分と棄却又は却下部分を含む) |
重要度 |
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事件概要 |
本件は、会社が、(1)副委員長の平成12年冬季賞与について不当に査定したこと、(2)執行委員長が勤務するビルのオーナー会社等に同ビルの合理化案の問題点などを指摘した書面をファックスで送信したことを理由に同人を解雇したこと、(3)解雇した執行委員長とは団体交渉や確認書の締結はできないとして団体交渉等に応じなかったことが不当労働行為であるとして争われた事件で、会社に対し、団交拒否についての文書手交を命じ、その余の申立ては棄却した。 |
命令主文 |
1 被申立人は、申立人に対し、下記の文書を速やかに手交しなければならない。 記 年 月 日 全国一般労働組合大阪地方本部日本ビル・メンテナンス労働組合 執行委員長 X1 様 日本ビル・メンテナンス株式会社 代表取締役 Y1 当社が、貴組合から平成13年7月9日付けで申入れのあった貴組合員の配置転換を議題とする団体交渉に応じなかったことは、大阪府地方労働委員会において、労働組合法第7条第2号に該当する不当労働行為であると認められました。今後、このような行為を繰り返さないようにいたします。 2 申立人のその他の申立ては、棄却する。 |
判定の要旨 |
1202 考課査定による差別
組合と会社の労使関係は必ずしも円滑なものではなかったが、会社が漏電事故の際の副委員長X2の対応を理由として、同人の平成12年冬季査定をC査定としたことについては、同人が組合員であることを理由に殊更不利益に取り扱ったものということはできないとされた例。
0205 第三者・取引先等への働きかけ
1103 背信行為
執行委員長X1が行った同人の勤務するビルオーナー会社等へのビルの設備管理の問題に関する文書の送信行為は、労働組合の行為として正当性の範囲を逸脱していると見るべきであり、委員長に対する解雇は、就業規則上の処分理由に基づくものとして一応の理由があると認められるところ、当該処分理由のみでは、会社は同人の解雇にまでは踏み切らなかったと認めるに足る疎明もなく、会社が行った当該解雇は不当労働行為であるとまではいうことができないとされた例。
2121 被解雇者
4614 文書手交のみを命じた例
会社は正当な理由が存しない限り、組合の申入れた団交に応じる義務があるのであって、組合の代表者が解雇された者であることは、団交を拒否する正当な理由にとはなりえないことは明らかであるから、会社が組合の団交申入れに応じなかった行為は、労組法第7条第2号に該当する不当労働行為であるとされた例。
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業種・規模 |
その他の事業サービス業(建物サービス業、民営職業紹介所、警備業等) |
掲載文献 |
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評釈等情報 |
 
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