概要情報
事件名 |
しいの食品 |
事件番号 |
神奈川地労委 平成13年(不)第14号
神奈川地労委 平成14年(不)第1号
神奈川地労委 平成14年(不)第4号
神奈川地労委 平成14年(不)第5号
神奈川地労委 平成14年(不)第14号
神奈川地労委 平成14年(不)第15号
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申立人 |
個人X2 |
申立人 |
個人X1 |
申立人 |
個人X3 |
被申立人 |
株式会社会社しいの |
命令年月日 |
平成15年12月16日 |
命令区分 |
棄却(命令主文が棄却のみ又は棄却と却下) |
重要度 |
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事件概要 |
本件は、会社が、組合員X1を雇用するにあたり黄犬契約を強要したこと、X1に対する退職強要等に関する団体交渉実施後にX1を解雇等、様々な不利益取扱いをしたこと、団体交渉を拒み続けていること、不当労働行為救済申立てを理由として様々な不利益取扱いをしたことが不当労働行為であるとして、争われた事件である。神奈川地労委は、申立てを棄却した。 |
命令主文 |
本件申立てを、いずれも棄却する。 |
判定の要旨 |
1501 黄犬契約
会社が本件内定通知書中に「在籍中に組合活動はしない」との条項を置いたことは、労働組合法第7条第1号に該当する不当労働行為であるとされた例。
1107 その他
本件期間雇用については、X1は入社時点では労働組合に加入しておらず、会社がX1の公務員当時の組合活動の有無を知っていたとの情報も認め難いから、これを理由としたものとは認められず、本件解雇についても、会社はX1がユニオンに加入する以前からX1の勤務態度の問題等を理由として同人を退職させる意思を有していたものであり、また、X1による一連の行為は正当な争議行為ないし組合活動とは認められないこと等から、X1の労働組合への加入又は正当な組合活動を行ったことを理由とするものとは認められないので、いずれも不当労働行為であると認めることはできないとされた例。
0111 結成行為の範囲とされなかった例
3607 労働者の行為と不利益取扱の程度との関連
X1のユニオン加入前若しくは加入中における各行為のうち、労災申請書への代表取締役印の押印拒否については、X1がユニオンに加入する以前から行われていた行為であり、労働組合に加入し、若しくは労働組合を結成しようとしていたためであるとも認められず、賃金の不支給については、X1は疾病に罹患していることを理由として欠勤しているのであるから、賃金の支給を求める前提を欠くものであり、ストーカー行為等、団体交渉への出席強要、プライバシーの侵害行為及び脅迫行為については、これらの事実があったとは認められないことなどから、いずれも不当労働行為であると認めることはできないとされた例。
0111 結成行為の範囲とされなかった例
3607 労働者の行為と不利益取扱の程度との関連
ユニオン脱退後における、X1に対する架電の強要、脅迫行為、X1所有物品の不法占有等の各行為についても、これらの行為がX1の労働組合への加入、若しくはX1が新たに労働組合を結成しようとしていたことを理由とするものとは認められないので、いずれも不当労働行為であると認めることはできないとされた例。
2249 その他使用者の態度
2253 受取り拒否・申入れなし
団体交渉拒否の申立てについては、X1の行為は団体交渉の申入れとは言い得ず、事件申立て後における常務による暴力行為等についても、これらの行為と不当労働行為救済申立てとの因果関係が明らかでないことなどから、不当労働行為であると認めることはできないとされた例。
3106 その他の行為
X1は、右記以外にも数多くの会社の行為を挙げ、不当労働行為に該当することは明らかであると主張するが、そもそもそれらの行為はあったのか否かについて明らかでないか、若しくはあったとしても不当労働行為であるとの疎明がないので、判断することはできないとされた例。
1501 黄犬契約
4422 その他
会社が本件内定通知書中に「在籍中に組合活動はしない」との条項を置いたことについては、判定要旨1のとおり、労働組合法第7条第1号の不当労働行為であると認められるが、会社はユニオンからの団体交渉の申入れにも応じており、X1がユニオンに加入したことにより同人を不利益に取り扱ったとは言えず、また、本件解雇の理由はユニオンヘの加入又はX1の組合活動であるとは認められないこと、さらに、X1の本件期間雇用における契約期間は既に終了しており本件内定通知書の当該条項をなかったものとして取り扱うよう命じても実質的な救済を図ることには繋がらず、具体的な救済措置を命ずる程の被救済利益は失われているものと判断された例。
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業種・規模 |
食料品製造業 |
掲載文献 |
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評釈等情報 |
 
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