概要情報
事件名 |
井住運送/住友倉庫 |
事件番号 |
大阪地労委 平成13年(不)第32号
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申立人 |
全日本建設交運一般労働組合井住支部 |
被申立人 |
株式会社住友倉庫 |
被申立人 |
井住運送株式会社 |
命令年月日 |
平成15年11月27日 |
命令区分 |
却下(初審命令において却下の決定書が交付された場合) |
重要度 |
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事件概要 |
本件は、(1)運送会社が、経営再建を理由に同意約款条項を含む基本協定の解約を通知したこと、(2)資本関係等があり主要取引先である倉庫会社が、運送会社の経営改善等を議題とする団体交渉に当事者ではないとして応じなかったことが不当労働行為であるとして争われた事件で、(1)倉庫会社に対する申立ては却下し、(2)運送会社に対する申立ては棄却した。 |
命令主文 |
1 被申立人株式会社住友倉庫に対する申立てを却下する。 2 被申立人井住運送株式会社に対する申立てを棄却する。 |
判定の要旨 |
4916 企業に影響力を持つ者
住友倉庫が株式所有、役員の派遣や資金供与等を通じ、井住運送の経営に対して一定の影響力を及ぼし得る立場にあり、また、井住運送の経営再建についても、一定程度関与していたことは認められるが、組合と井住運送との間には、労働時間、定年制、就業時間中の組合活動など労働条件に係る基本的な事項について取決めがなされており、賃金や一時金など具体的な労働条件についても、従来から組合と井住運送との間で交渉が行われ、決定されていること、井住運送の再建策に係る労働条件見直しや給与体系改定等については、終始一貫して組合と共住運送との間で協議がされていることから、住友倉庫は資金供与等を通じ井住運送の経営に影響力を及ぼし得る立場にあったものの、住友倉庫が井住運送の再建策に積極的に関与し、また、従業員の基本的な労働条件を現実的、具体的に決定していたとまでいうことはできないことから、住友倉庫は、井住運送の従業員の労働組合法第7条の使用者には当たらず、組合の住友倉庫に対する申立ては却下するとされた例。
2240 説明・説得の程度
2307 その他
4600 対抗的団体に対する措置(解散・団交禁止・協定破棄・経費援助の停止等)に触れた例
基本協定解約通知に至る経緯、労使交渉の内容等をみると、井住運送は、平成10年より12年にかけて労使協議会や団体交渉の場で会社再建策と基本協定の見直しを繰り返し説明していることが認められ、会社は本件基本協定の自動更新日の90日前に至るまで、組合との間で再建等に関する合意形成に努めていたとみるべきであって、13年1月12日の労使協議会の場で解約の理由について説明がなされなかったことのみをもって、井住運送が一方的計画的に解約通知を行ったものであるとまではみることはできず、井住運送の基本協定の解約通知は、組合の弱体化を目的とする不当労働行為意思によるものとは判断されず、組合の井住運送に対する請求は棄却するとされた例。
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業種・規模 |
道路貨物運送業 |
掲載文献 |
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評釈等情報 |
 
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