概要情報
事件名 |
西日本旅客鉄道(奈良電車区) |
事件番号 |
奈良地労委 平成14年(不)第1号
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申立人 |
ジェーアール西日本労働組合近畿地方本部 |
申立人 |
ジェーアール西日本労働組合 |
被申立人 |
西日本旅客鉄道株式会社 |
命令年月日 |
平成15年 9月26日 |
命令区分 |
棄却(命令主文が棄却のみ又は棄却と却下) |
重要度 |
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事件概要 |
会社の首席助役であるY1が、会社が実施した色覚検査の結果、運転士不適格となった組合員X1に対し、組合からの脱退を勧奨したこと、当該脱退勧奨の事実を明らかにした組合掲示物を会社が強制撤去したことが不当労働行為であるとして、争われた事件で、申立てを棄却した。 |
命令主文 |
本件申立てを棄却する。 |
判定の要旨 |
3410 職制上の地位にある者の言動
本件助役のように、間接的に社員の人事に関わる職制機構の一端を担い、単純に末端の管理者とは言い切れない助役という立場にありながら、一方で、自らも組合員である者の行為については、使用者の直接の関与が認められなくとも、具体的な行為の態様、当該行為に対する会社の対応、当該行為時の労使関係等を総合的に判断した結果、使用者の意を体した行為であると認めることができれば、使用者に帰責できるとされた例。
2625 非組合員化の言動
首席助役であるY1の1月7日面談でのX1に対する発言は、色覚検査の結果、運転士不適格が確実となったが、運転士の仕事に未練がある同人に対し、別の職種で上位を目指すことを勧め、運転士の仕事は諦めるように諭したものであり、組合からの脱退を勧奨した不当労働行為にはあたらないとされた例。
3410 職制上の地位にある者の言動
同Y1の1月16日面談でのX1に対する発言は、組合から脱退勧奨ではないかと疑われる発言も認められるが、同面談は、Y1の個人的行為であり、同時にY1が所属する別組合組合員としての立場でなされたものと判断できることから、同発言は会社の意を体してなされた会社の不当労働行為と認めることはできないとされた例。
2620 反組合的言動
「不当労働行為発生」との文言を含む組合掲示物の撤去について、会社と組合の一連のやりとりから、会社が、組合は撤去すること自体は争わず撤去の時期について猶予を求めていたと判断したことはもっともであること、また、組合も撤去要請に応じられないとした執行委員会の結果を会社に伝えていないことなどから、会社が、組合は撤去に合意していたという認識に基づき行った本件撤去は、労働組合法第7条第3号に該当する不当労働行為であるとは認められないとされた例。
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業種・規模 |
鉄道業 |
掲載文献 |
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評釈等情報 |
 
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