概要情報
事件名 |
雪印乳業 |
事件番号 |
埼玉地労委 平成14年(不)第4号
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申立人 |
雪印食品一般労働組合 |
被申立人 |
雪印乳業株式会社 |
命令年月日 |
平成15年 8月28日 |
命令区分 |
棄却(命令主文が棄却のみ又は棄却と却下) |
重要度 |
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事件概要 |
子会社の食肉加工会社が、いわゆる狂牛病の発生に伴う牛肉偽装工作詐欺事件を発端とする経営悪化を理由として、解散の決定を行ったことに対し、組合が親会社である乳製品会社に対して「食肉加工会社の再建と従業員の雇用」について団体交渉を申し入れたところ、その当事者でないとして拒否したことが不当労働行為であるとして争われた事件で、申立てを棄却した。 |
命令主文 |
本件申立てを棄却する。 |
判定の要旨 |
4915 親会社
会社が、親会社としての地位や会社出身の役員を通じて、雪印食品の経営について何らかの影響力を及ぼす立場にあったことは推認できるが、組合から、雪印食品の従業員の労働条件について、会社が従業員の賃金水準を指示・命令していた事実、過去に会社と組合が団体交渉を行っていた事実などの疎明はなされておらず、会社が、組合の雇用主である雪印食品と同視できる程度に従業員の労働条件について実質的な支配力を有していたとは認められないとされた例。
4915 親会社
会社が、牛肉偽装工作詐欺事件発覚直後に社員を雪印食品に派遣して応急的対策についてのアドバイスを行ったこと、会社が自社の生き残りのための対応策を真剣に検討したであろうこと、雪印食品の取締役会がマスコミの取材による混乱を避けるため会社本社で開催され、会社と雪印食品の役員を兼務していた者が当該取締役会に出席していたこと等は認められるが、これらの事実を総合的にみても、牛肉偽装工作事件発覚から雪印食品解散に至るまでの間で、雪印食品の決定が会社の支配の下に、その意向に従って行われたとまで推認することはできないこと等から、会社が組合員の解雇という労働条件の重大な変更を伴う解散という特段の事態において雪印食品を実質的に支配していたことは認められないとされた例。
2130 雇用主でないことを理由
上記のとおり、会社は、労働組合法第7条第2号の「使用者」であるとは認められないから、会社が「雪印食品の再建と従業員の雇用」問題についての団体交渉を拒否したことは、不当労働行為とは認められないとされた例。
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業種・規模 |
食料品製造業 |
掲載文献 |
不当労働行為事件命令集126集725頁 |
評釈等情報 |
 
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