概要情報
事件名 |
中央交通 |
事件番号 |
大阪地労委 平成12年(不)第34号
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申立人 |
自交総連中央交通労働組合 |
被申立人 |
中央交通株式会社 |
命令年月日 |
平成15年 8月26日 |
命令区分 |
一部救済(命令書主文に救済部分と棄却又は却下部分を含む) |
重要度 |
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事件概要 |
会社が、組合員である貸切バス運転手に対し、別組合員や非組合員と比較して、(1)車格等の条件の悪い車両を担当させたこと、(2)手当、寸志等の額が少ない目的地に配車したことが不当労働行為であるとして、争われた事件で、(1)指定公休日の振替について、組合員である運転手と組合員以外の運転手との同等の取扱い、(2)組合員以外の運転手が指定公休日の振替に伴い得た寸志、手当等と、組合員の運転手が既に得た収入との差額の支払を命じ、担当車両の指定にかかる申立ては却下した。 |
命令主文 |
1 被申立人は、指定公休日の振替につき、申立人組合員運転手に対しても指定公休日の振替 に応じる機会を公平に与えることにより、申立人組合員以外の運転手と同等に取り扱わなけ ればならない。 2 被申立人は、申立人組合員運転手それぞれに対し、1か月単位の変形労働時間制が実施さ れた平成11年11月9日以降、申立人組合員以外の運転手が指定公休日の振替に伴い従事した 観光バス業務により得た寸志、紹介料及び乗務実績に応じて支給された各手当の合計額の一 人一日当たりの平均と申立人組合員運転手それぞれが既に得た同範囲の収入の一日当たりの 平均との差額に、同日以降、申立人組合員以外の運転手が指定公休日の振替に応じた総日数 の一人当たりの平均日数と申立人組合員運転手それぞれが指定公休日の振替に応じた日数と の差を乗じて得た額を支払わなければならない。 3 申立人の担当車両の指定に係る申立てについては、却下する。 |
判定の要旨 |
1302 就業上の差別
5200 除斥期間
5201 継続する行為
会社は、平成10年7月10日に各運転手の担当車両を改めて決定しており、この決定を不当労働行為であるとして車両担当制の内容の変更を求める本件申立ては、平成12年5月31日に提起されているので、この時点において当該決定の日から既に1年以上経過しているところ、組合は、車両担当制の内容が配車の内容と大きく関連する結果、組合員が別組合員らと比べて平成11年6月1日以降も配車面で不利益を受け続けていると主張するが、事実として担当車両の決定が配車の内容を一律かつ固定的に決定するという関係を見出すことはできないから、車両の担当についての申立ては申立期間を経過しているとして却下するとされた例。
1302 就業上の差別
2625 非組合員化の言動
組合員に対し指定公休日の振替をしなかったことは、会社側の意図的な対応によるものとみなさざるを得ず、寸志及び紹介料が運転手の収入の一部となっていることが従業員や会社の間では周知の事実であるといえる中で、会社は、組合が固定した7日間の指定公休日を要求していることを好機として、別組合には行っている振替を組合員にはあえて行わないことにより組合員に不利益を与え、もって会社の合理化方針に反対する組合の弱体化を図ったとみるのが相当であり、かかる会社の行為は労働組合法第7条第1号及び第3号に該当する不当労働行為であるとされた例。
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業種・規模 |
道路旅客運送業(バス専業) |
掲載文献 |
不当労働行為事件命令集126集658頁 |
評釈等情報 |
 
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