労働委員会命令データベース

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概要情報
事件名  ファイブメンテサービス/マルフク 
事件番号  大阪地労委 平成13年(不)第54号 
申立人  ユニオンおおさか 
被申立人  ファイブメンテサービス 
被申立人  有限会社マルフク 
命令年月日  平成15年 8月20日 
命令区分  一部救済(命令書主文に救済部分と棄却又は却下部分を含む) 
重要度   
事件概要  本件は、会社及びその支配下にあった有限会社マルフクが、(1)マルフクの従業員が組合支部結成直後に同社を解散し、従業員全員を解雇し、非組合員は会社が雇用は承継しながら、組合員の雇用を承継しなかったこと、(2)雇用保障等に関する団交申入れを会社が拒否したことが不当労働行為であるとして、争われた事件で、会社に対し、(1)組合員4名について同社で雇用したものとしての取扱い及びその労働条件についての組合との誠実協議、(2)組合員4名を就労させるまでの間の賃金相当額の支払、(3)組合の申入れた雇用保障等に関する団交応諾、(4)文書手交((1)及び(3)に関して)を命じ、マルフクに対する申立ては却下した。 
命令主文  1 被申立人株式会社ファイブメンテサービスは、申立人組合員X1、同X2、同X3及び同 X4を、平成12年8月1日以降、被申立人株式会社ファイブメンテサービスにおいて雇用し たものとして取り扱わなければならない。また、その労働条件につき、申立人組合と誠実に 協議しなければならない。
2 被申立人株式会社ファイブメンテサービスは、申立人組合員X1、同X2、同X3及び同 X4に対して、平成12年8月1日から就労させるまでの間、同人らが上記により協議した労 働条件に基づき就労していれぱ得られたであろう賃金相当額を支払わなけれぱならない。
3 被申立人株式会社ファイブメンテサービスは、申立人から申入れのあった平成12年10月18 日付要求書に基づく団体交渉に応じなければならない。
4 被申立人株式会社ファイブメンテサービスは、申立人に対し、下記の文書を速やかに手交 しなければならない。
                    記
                                    年 月 日
   ユニオンおおさか
    執行委員長 X5殿
                       株式会社ファイプメンテサービス
                        代表取締役 Y1
  当社がマルフクを平成12年7月25日をもって解散させ、貴組合員X1氏、同X2氏、同X 3氏及び同X4氏を雇用しなかったこと、及び貴組合から同年10月18日付で申入れのあった 団体交渉に応じなかったことは、大阪府地方労働委員会において、労働組合法第7条第1  号、第2号及び第3号に該当する不当労働行為であると認められました。今後このような行 為を繰り返さないようにいたします。
5 申立人のマルフクに対する申立ては却下する。 
判定の要旨  4912 破産事業における使用者
マルフクは、平成12年7月25日に解散し、同13年2月28日に清算を結了していることが認められ、本件が申し立てられた7月17日時点において、消滅して存在していないことから、マルフクに対する申立てについては却下された例。

4910 事業廃止に伴う新経営者
4915 親会社
会社は、マルフクを人事、資本及び業務遂行等において、直接又はS社を介して支配するとともに、マルフクの従業員の賃金等労働条件を現実的かつ具体的に決定できる地位にあったとみることができることから、マルフクと並んで重畳的に労組法上の使用者に当たるとされた例。

2130 雇用主でないことを理由
会社は、マルフクの従業員の労組法上の使用者に当たるから、会社が、組合からの団交申入れに応じなかったことは、労組法第7条第2号に該当する不当労働行為とされた例。

1500 不採用
1700 偽装解散
3010 労組法7条1号(不利益取扱い、黄犬契約)と競合
会社社長は、マルフクの従業員による組合の結成により、これと事業所等を同じくする会社やS社の従業員に組合運動が波及することに危機感を抱き、売上げが思うように伸びないマルフクを一気に解散させたものと判断され、かかる解散によって組合員らを解雇するとともに、非組合員を会社等へ雇用したにもかかわらず、組合員らの雇用を拒否したY1社長ら会社の一連の行為は、労組法第7条1号及び3号に該当する不当労働行為であり、マルフクと並んで実質的、重畳的に使用者の立場にある会社はその責任を免れることはできないとされた例。

4410 雇入拒否の場合
4417 条件付命令・協議命令
組合員4名と直接の雇用関係にあったマルフクはもはや消滅していること、また、非組合員4名は会社又はS社に雇用されていること、及び会社はマルフクと並んで重畳的に使用者の立場にあることから、組合員を会社において雇用したものとして取り扱うことが適切とされた例。

業種・規模  卸売業、小売業、飲食店 
掲載文献  不当労働行為事件命令集126集612頁 
評釈等情報   

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