概要情報
事件名 |
日本貨物鉄道(富山昇進) |
事件番号 |
富山地労委 平成 8年(不)第1号
富山地労委 平成 9年(不)第1号
富山地労委 平成10年(不)第1号
富山地労委 平成11年(不)第1号
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申立人 |
外個人42名 |
申立人 |
国鉄労働組合北陸地方本部 |
申立人 |
国鉄労働組合西日本本部 |
申立人 |
国鉄労働組合 |
被申立人 |
日本貨物鉄道株式会社 |
命令年月日 |
平成15年 5月22日 |
命令区分 |
一部救済(命令書主文に救済部分と棄却又は却下部分を含む) |
重要度 |
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事件概要 |
本件は、会社が、国労組合員42名を国労所属を理由として、平成7年から10年の昇格時期に、賃金等級の昇格又は輸送主任等への昇職をさせなかった事件で、組合員25名を5等級に昇格したものとして取扱うこと、組合員12名を輸送主任等に昇職したものとしての取扱うこと、及び是正に伴うバック・ペイ(年5分加算)並びに昇格、昇職させないことによる支配介入の禁止及び文書手交を命じ、その余の申立ては棄却した。 |
命令主文 |
1 被申立人日本貨物鉄道株式会社は、申立人らに所属する別表1記載の申立人組合員X1ら 25名に対し、各々同表記載の年の2月1日付で5等級へ昇格したものとして取り扱わなけれ ばならない。 2 被申立人会社は、申立人らに所属する別表2記載の申立人組合員X2ら12名に対し、各々 同表記載の年の2月1日付で同表記載の職名及び同表記載の等級へ昇職したものとして取り 扱わなければならない。 3 被申立人会社は、第1項及び前項に該当する31名に対し、第1項及び前項の是正によって 支払われるべき基本給及び期末手当等諸給与相当額と既に支払った諸給与額との差額に年5 分の割合による金員を付加して支払わなければならない。 4 被申立人会社は、申立人組合らの組合員に対し、組合員で有ることを理由に昇進させない ことにより、申立人組合らの運営に支配介入してはならない。 5 被申立人会社は、申立人組合国鉄労働組合北陸地方本部に対し、本命令受領後、速やかに 下記の文書を手交しなければならない。 記 年 月 日 国鉄労働組合北陸地方本部 執行委員長 X3 様 日本貨物鉄道株式会社 代表取締役社長 Y1 当社が別表1(略)の貴組合所属の組合員X1氏ら25名に対し同表の年に5等級に昇格さ せなかったこと及び別表2の貴組合所属の組合員X2ら12名に対し同表の年に同表の等級に 昇職させなかったことは富山地方労働委員会において、不当労働行為であると認定されまし た。 今後、このような行為を繰り返さないよう留意します。 6 申立人国鉄労働組合、同国鉄労働組合西日本本部、同国鉄労働組合北陸地方本部、同X 4、同X5、同X6、同X2、同X7、同X8、同X9、同X10、同X11、同X12、同X 13、同X14、同X15、同X16、同X17のその余の申し立てを棄却する。 7 申立人X18、同X19、同X20、同X21、同X22、同X23、同X24、同X25、同X26、同X 27、同X28のその余の申し立てを棄却する。 |
判定の要旨 |
1200 降格・不昇格
3700 使用者の認識・嫌悪
本件昇格について、国労組合員と他労組組合員との間には外観上の昇格格差が認められること、本件昇格格差は会社の不公正な運用によって生じたものであると推定できること、この推定を覆すような組合員らの不都合事象が存在しないこと及び会社の国労に対する嫌悪の情を合わせ考えれば、会社は国労組合員の昇格に際して、国労組合員であることを理由として昇格上の差別をしたと判断せざるを得ず、労働組合法第7条1号及び3号の不当労働行為に当たるとされた例。
1200 降格・不昇格
1202 考課査定による差別
3700 使用者の認識・嫌悪
本件昇職について、国労組合員と他労組組合員との間には外観上の昇職格差が認められること、本件昇職試験の一次の筆記試験については、その試験の内容及び運用のいずれの面においても客観性が認められること、本件昇職試験の二次の面接試験については、国労組合員に不利な恣意的運用がなされていると認められることから、一次試験については、国労組合員であることを理由とする昇職上の差別があるとは判断できないものの、二次試験については会社の国労に対する嫌悪の情を合わせ考えれば、本件昇職に際して、国労組合員であることを理由として昇職上の差別をしたと判断せざるを得ず、労働組合法第7条第1号及び第3号の不当労働行為に当たるとされた例。
4414 その他の不利益の場合
他労組組合員は、5等級に昇格するに4等級平均在級年3.5年を要していることから、5等級に昇格させる年を4等級4年在級した年と取り扱うのが妥当であるとして、この基準に従い、救済を命じた例。
1200 降格・不昇格
一次試験についてはその不合格が組合員であるがゆえの不利益取扱いとはいえないことから、昇職を求めている年の前年又はそれ以降の年に一次試験に合格していないX19ら8名については、昇職についての請求を棄却するとされた例。
1200 降格・不昇格
4414 その他の不利益の場合
昇職を求めている年度以降に一次試験に合格し、合格時に昇職のための在級年数を満たしていた場合は一次試験合格の年度の2月1日付で昇職させるものとし、在級年数(4等級への昇職には3等級に6年、6等級への昇職には5等級3年、4等級か6等級への昇職には4等級と5等級の在級を合わせて7年)を満たしていない場合は、これを満たした年度で昇職させるとして、この基準に従い、救済を命じた例。
4603 その他
被申立人会社は、申立人組合らの組合員に対し、組合員で有ることを理由に昇進させないことにより、申立人組合らの運営に支配介入してはならないとされた例。
4421 文書掲示等を命じた例
被申立人会社は、申立人組合国鉄労働組合北陸地方本部に対し、本命令受領後、速やかに下記の文書を手交しなければならないとされた例。
4406 バックペイに利子・付加金を付したもの
4422 その他
被申立人会社は、第1項及び前項に該当する31名に対し、第1項及び前項の是正によって支払われるべき基本給及び期末手当等諸給与相当額と既に支払った諸給与額との差額に年5分の割合による金員を付加して支払わなければならないとされた例。
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業種・規模 |
鉄道業 |
掲載文献 |
不当労働行為事件命令集126集214頁 |
評釈等情報 |
 
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