労働委員会命令データベース

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概要情報
事件名  東海旅客鉄道(東海労訓告処分) 
事件番号  大阪地労委 平成13年(不)第28号 
大阪地労委 平成13年(不)第49号 
申立人  ジェイアール東海労働組合 
申立人  ジェイアール東海労働組合新幹線関西地方本部 
被申立人  東海旅客鉄道株式会社 
命令年月日  平成15年 3月27日 
命令区分  棄却(命令主文が棄却のみ又は棄却と却下) 
重要度   
事件概要  会社が、別件不当労働行為事件に組合が提出した書証が違法に収集されたものであるとして組合の地方本部副委員長X1に顛末書及び始末書の提出を強要したこと、会社の重要資料を許可なく社外へ持ち出したこと等を理由として同人を訓告処分としたこと、訓告処分の撤回等について労使協議の場である業務委員会の開催を拒否したこと、本件に関する組合掲示物を組合掲示板から撤去したことが不当労働行為であるとして争われた事件で、申立てを棄却した。 
命令主文  本件申立てを棄却する。 
判定の要旨  3106 その他の行為
X1が提出した顛末書及び始末書を作成した際の状況は、いずれもX1がそれらの作成を拒否しようと思えばできる状況下で行われたものと考えられ、むしろX1は、本人の自由意思に基づいて作成したものといわざるを得ず、また、会社がX1に対し具体的にどのように強要したのかについて組合から十分な疎明はないので、X1が提出した顛末書及び始末書については、強要によって書かされたものとは認められず、これらの返還に係る組合の申立ては棄却するとされた例。

3601 処分の程度
会社の内部資料を許可なく社外に持ち出したこと等を理由としたX1の訓告処分は、その事情聴取の態様、顛末書及び始末書の作成、提出等の過程において、不当な態様や手段が用いられたということはできず、また、処分の理由や処分の程度についても、過去の事例と比較して、均衡を欠いた不合理なものと判断することはできず、会社の不当労働行為意思を認めることはできないとされた例。

5001 将来における予防、不特定な内容の請求
組合は、X1に対する訓告処分の撤回を求めると同時に、委員会に提出した書証に関して、組合員への顛末書及び始末書の強要をはじめとする今後一切の報復的不利益取扱いの禁止を求めるが、X1による顛末書及び始末書の提出をもって報復的不利益取扱いということができないことに加えて、具体的に特定することのできない将来の報復的不利益取扱行為を一般的に想定し、これを禁止することは相当ではなく、この点に係る組合の申立ては棄却するとされた例。

2302 労務管理・労使関係
2305 労働協約との関係
組合が、各申入書で会社に申し入れたX1の訓告処分の撤回等については、基本協約の文言からみて、直ちに業務委員会の付議事項に該当するものとみることはできないこと、一方、業務委員会の事前折衝が基本協約に従って行われ、会社は、いずれの申入事項についても、付議事項に該当しない旨説明したこと、さらに、過去の業務委員会において、申入事項と類似の付議事項が協議された実績があるとする事実の疎明もないことから、業務委員会において訓告処分撤回等の協議をしないことが不当労働行為意思によるものと認めることはできないとされた例。

3020 組合活動への制約
会社が、組合が発行する本件掲示物をその内容が故意に事実に反するものとして掲出したと考え、基本協約に従い撤去したこと等については、やむを得ないと判断されるところであり、また、会社は、組合に撤去するよう事前に通告した上で撤去するなど、手続面においても、不当な態様で撤去したものということはできないことから、本件組合掲示物の撤去が不当労働行為であると判断することはできないとされた例。

業種・規模  鉄道業 
掲載文献  不当労働行為事件命令集125集870頁 
評釈等情報   

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顛末情報
事件番号/行訴番号 命令区分/判決区分 命令年月日/判決年月日
中労委 平成15年(不再)第17号 棄却 平成18年12月6日
 
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