概要情報
事件名 |
愛集学園 |
事件番号 |
大阪地労委 平成12年(不)第56号
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申立人 |
大阪私学教職員組合 |
被申立人 |
学校法人愛集学園 |
命令年月日 |
平成15年 1月30日 |
命令区分 |
一部救済(命令書主文に救済部分と棄却又は却下部分を含む) |
重要度 |
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事件概要 |
被申立人法人が、就業時間内の組合活動を行ったこと等を理由に分会長であるX1教論を懲戒譴責処分に付し、1回目の自宅待機を命じたこと、また、X1分会長が担任するクラスの保護者に対して宣伝活動を行ったとして、2回目の自宅待機を命じ、クラス担任を解いたこと、組合の申入れた団体交渉を拒否したこと等が不当労働行為であるとして申し立てられた事件で、地労委は、(1)X1に対する懲戒譴責処分のなかったものとしての取扱い、(2)文書交付を命じ、その余の申立ては棄却した。 |
命令主文 |
1 被申立人は、申立人組合員X1に対し、平成11年9月22日付で行つた懲戒譴責処分がなか ったものとして取り扱わなければならない。 2 被申立人は、申立人に対し、下記の文書を速やかに手交しなければならない。 記 年 月 日 大阪私学教職員組合 幹事会議長 X2 様 学校法人愛集学園 理事長 Y1 当学校法人が行った下記の行為は、大阪府地方労働委員会において、労働組合法第7条第 1号、第2号及び第3号に該当する不当労働行為であると認められました。今後このような 行為を繰り返さないようにいたします。 記 (1)貴組合員X1氏に対し、平成11年9月8日及び同年10月22日に自宅待機を命じたこと、 同年9月22日に懲戒譴責処分を行ったこと、並びに、同年10月22日にクラス担当変更の 業務命令を発したこと。 (2)貴組合員X1氏に対し、平成12年4月3日以降、変形労働時間制に係る団体交渉に応じ ないまま、クラス担任を外す、夏休み中の出勤を求める、他の教諭に課している日直・ 当番を外す等の差別的取扱いを行ったこと。 (3)貴組合からの団体交渉の申入れに対して、貴組合愛集幼稚園分会の結成時から平成13年 6月28日までの間において、誠実に対応しなかったこと。 3 申立人のその他の申立ては、棄却する。 |
判定の要旨 |
2210 組合員名簿・組合規約不提出
2231 組合の不誠実
2232 宣伝活動
2235 その他組合の態度
学園が分会員の氏名を明らかにしないこと、分会員が1名の組合から団交を要請される立場にないこと、組合がビラ配布を行うなど信頼をなくす行為をしたこと、組合が園児の保護者に混乱を招いたこと、組合が街宣活動を行ったことを理由に団交を拒否したことには正当性がなく、労組法7条2号の不当労働行為に当たるとされた例。
2249 その他使用者の態度
学園は平成13年6月28日から団交に積極的に応じており、一方、それ以降組合は団交に消極的になっており、同日までの不当労働行為は治癒されと考える余地もないではないが、労使関係を総合すると同日までの団交拒否に関する被救済利益は失われていないとされた例。
0201 就業時間中の組合活動(含職場離脱)
0205 第三者・取引先等への働きかけ
1400 制裁処分
1401 労務の受領拒否
学園はX1分会長が勤務秩序を混乱させ、園児保護者の信頼を損なう行動をとったことを理由に第1回及び第2回自宅待機命令、懲戒譴責処分並びにクラス担当の変更の業務命令を行ったものであると主張するが、就業時間中の組合活動についてX1分会長以外の分会員には自宅待機の業務命令が出されておらず、その後の譴責処分、自宅待機処分はX1分会長以外の分会員が組合を脱退した事実を確認した後に行う等不自然な部分があることすると、学園のX1分会長に対する一連の対応は、組合嫌悪の意思からなされたものと認めるのが相当であり、労組法7条1号及び3号に該当する不当労働行為とされた例。
1300 転勤・配転
2251 一方的決定・実施
3010 労組法7条1号(不利益取扱い、黄犬契約)と競合
学園はX1分会長ないし組合が変形労働時間制を受け入れないので、X1分会長を変形労働時間制の適用除外とするためにクラス担当を変更したものであると主張するが、変形労働時間制の説明をすることもなく、X1分会長が同制度を受け入れないと決めつけてクラス担当を変更しているのであって、学園のX1分会長に対するこのような取扱いは労組法7条1号及び3号に該当する不当労働行為とされた例。
2300 賃金・労働時間
学園は平成13年6月28日に団交に応じて以降、X1分会長への変形労働時間制の適用問題について積極的に解決を図ろうとしていることが認められ、同日以降X1分会長を変形労働時間制の適用のない業務に就けたことを不当労働行為と認めるのは妥当ではないとされた例。
2611 その他の従業員の言動
X1分会長と他の教諭との話合いが持たれたことは認められるものの、他の教諭によるいわゆる「つるしあげ」の状態があったと認めるに足る疎明はなく、これら話合いが学園の指示ないし監視下で行われたと認めるに足る疎明もないことから、学園に不当労働行為があったと認めることはできないとされた例。
2623 脱退届け作成・提出強要
2625 非組合員化の言動
元分会員らは労働委員会における証言ないし陳述書において脱退強要を受けた事実を明確に否定し、組合脱退は自身の自由な意思によるものであるとしており、これを覆すような疎明もないことから、学園に脱退強要の不当労働行為があったとは認められないとされた例。
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業種・規模 |
教育(自動車教習所を含む) |
掲載文献 |
不当労働行為事件命令集125集367頁 |
評釈等情報 |
 
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