概要情報
事件名 |
上原学術研究所 |
事件番号 |
大阪地労委 平成 8年(不)第44号
大阪地労委 平成 8年(不)第45号
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申立人 |
北大阪合同労働組合 |
申立人 |
個人 X1、X2、X3、X4、X5、X6、X7 |
被申立人 |
財団法人 上原学術研究所 |
命令年月日 |
平成12年 7月13日 |
命令区分 |
一部救済(命令書主文に救済部分と棄却又は却下部分を含む) |
重要度 |
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事件概要 |
財団が、(1)分会長らが理事長の自宅周辺でビラ配布等を行ったこと、(2)新賃金体系表の導入に当たって分会員を差別的に取り扱ったこと、(3)団交を拒否したことが不当労働行為であるとして争われた事件で、出勤停止処分等がなかったものとしての取扱い及びバックペイを命じ、その余の申立て(賃金差別等)は棄却した。 |
命令主文 |
1 被申立人は、申立人X2に対し、平成8年10月1日付けて行った訓戒処分及び減給処分、同年10月3日付けで行った訓戒処分及び出勤停止処分並びに同年10月4日付けで行った減給処分がなかったものとして取り扱い、これら処分がなければ得られたであろう賃金相当額を支払わなければならない。 2 被申立人は、申立人X3に対、平成8年10月1日付けで行った訓戒処分がなかったものとして取り扱わなければならない。 3 申立人らのその他の申立ては棄却する。 |
判定の要旨 |
0200 宣伝活動
0201 就業時間中の組合活動(含職場離脱)
1400 制裁処分
Y1理事長に対する要請又は抗議活動の一環としてX2らが行った同理事長の自宅周辺での街宣活動及びビラ配布の態様は、その責めを同人らのみに帰すことは相当ではないと考えられ、他方、合理的な理由なく、事実確認などの慎重な手続を踏まずにX2らを処分したこと、分会の中心人物であるX2に対し、性急で一方的な処分を重ねたことを併せ考えると、本件一連の懲戒処分は、労組法第七条第一号及び第三号に該当する不当労働行為と判断された例。
1203 その他給与決定上の取扱い
非分会員であるY2部長ら9名に対し、新賃金体系表の基準を超える基本給が支給されているのはそれぞれやむをえない事情があったというべきであり、分会員に対する新賃金体系表を適用する際の号俸決定の誤りは、不当労働行為であるというよりは単純な事務処理上の誤りと認めることが相当であり、分会員に対して新賃金体系表の適用及び号俸決定が恣意的に行われ、不当な賃金差別が生じていると認めることはできないといえず、この点についての組合らの申立てを棄却するとされた例。
2244 特定条件の固執
4300 労組法7条2号(団交拒否)の場合
財団が誓約書の提出を条件に9月30日付け団交申入れに一定の期間応じなかったことは、正当な理由なく団交を拒否したものと認められるが、本件申立て後、分会が誓約書を提出せず団交を申し入れたところ、財団はこれに応じており、11月14日に団交が開催され、結果的に団交拒否の状態は解消されたので、団交拒否の禁止を求める組合らの申立ては棄却するとされた例。
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業種・規模 |
医療業 |
掲載文献 |
不当労働行為事件命令集117集201頁 |
評釈等情報 |
 
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